引っ越し当日、引っ越し業者へご祝儀を渡した方が良いのか、気になる人は多いようです。
最近は、ご祝儀そのものを一切受け取らない業者もありますが、基本的には渡さなければならないという規則はありません。必ずしも必要ではないのです。
以下の図をご覧ください。これは、「引っ越し業者へチップ・心付けを渡したか?」を表したグラフです。ご覧の通り、約半数の人が渡していないと回答しています。
最近は、少しでも引っ越し費用を抑えたいと考える人が増えているようで、必須ではないご祝儀のことは最初から頭にないケースが多いようです。
しかし、日本のバブル期の頃は、1人あたり1万円のご祝儀が渡されたり、飲み物や弁当まで差し入れして貰えることが当たり前だったといいます。
つまるところ、個人の考え方によりますので、不要だと思うのであれば用意する必要はありません。しかし、感謝の気持ちやねぎらいの気持ちをご祝儀という形で伝えたいのであれば、気持ち程度に用意すると喜ばれるものです。
ご祝儀がないからといって、サービスの質が落ちることはありませんが、作業員のモチベーションが必然的に変わることは否めません。
引越し業者へのご祝儀の相場金額は、どのくらいが相場なのでしょうか。もしも心付けとして渡すのであれば、1名あたり500円から1,000円程度が理想的です。
余裕がある場合は、1名あたり3,000円でも良いですし、責任者の方だけ3,000円として、他の作業員の方は1,000円という方法もあります。
もしくは、お金として渡すのではなく、QUOカードなどのギフトカードやギフト券を渡すのもお勧めです。ちなみに、ひとつ気を付けたいことがあります。
それは、ご祝儀は作業員一人ひとりに手渡しするよう心掛けることです。一人ひとりに直接手渡しした方が、感謝の気持ちが伝わりやすいという意味合いもありますが、それだけではありません。
引越し業者の責任者に渡してしまうと、場合によってはアルバイト作業員などへご祝儀を渡さないことがあるからです。
また、作業員としても、責任者に対して自分から下さいとは言えません。ようするに、責任者が自分だけのものにしたり、ベテラン作業員だけで山分けすることがあるのです。
尚、責任者が忙し過ぎて渡し忘れる危険性もあることから、必ず一人ひとり手渡しするのが鉄則だと覚えておきましょう。
それから、心付けではなく、飲み物や弁当を渡しても喜ばれるものです。ただし、弁当は作業員の方ですでに持参していることがあるため、必ずしも喜ばれるとはいえません。
その点、飲み物は、作業員の方でも貰って困ることはありませんので、喜ばれるケースが多いようです。特に汗をかきやすい暑い夏や、荷物量が多くて搬入搬出が大変そうなときは、飲み物を多めに差し入れするとより喜ばれます。
引越し作業員の方で、ご祝儀や差し入れは貰えなくて当然と考えてはいるものの、やはり頂くことができると嬉しいものです。
引越し作業員も人間ですので、荷物量が多くて作業が大変だったり、無理難題を押し付けてくるお客さんの所でご祝儀が無いと、内心がっかりしますし疲れも倍増しがちです。
出来る範囲で構いませんので、感謝の気持ちを何らかの形で示すことをお勧めします。
ご祝儀を渡すタイミングですが、作業が始まる前に渡しておきたいものです。なぜなら、作業が終わった後になると、作業員一人ひとりに渡すことができない可能性があるからです。
特に繁忙期は、次々と現場を回る必要があるため、すべての作業員が引っ越し完了時まで現場に滞在するとは限りません。
では、作業中にご祝儀を渡すのはどうかというと、想像するまでもなく作業の邪魔をすることになるのがオチです。
それから、作業前に渡しておいた方が、作業員としても必然的にモチベーションが上がります。ご祝儀の有無で、作業の質が変化するのは言語道断ではありますが、感謝の気持ちをお金やギフトカード、飲物などとして手渡されるとやはり嬉しいものです。そういった意味からも、ご祝儀は作業前に渡しておくことをお勧めします。
結論からいいますと、引っ越しで飲み物などのご祝儀を渡さなくても、特に問題はありません。
しかし、せめて飲み物は渡すことをお勧めします。心付けに関しては、そのときの日本の経済状況によって左右されるところがあるものです。
バブル期のように、羽振りの良い人が多い時代は、当たり前のように心付けが手渡されていたものでした。しかし、現代は不景気ということもあり、心付けを渡す人は減少傾向にあります。
これは裏話ではあるのですが、閑散期ではない限り、引っ越し作業員は好きなタイミングでコンビニなどへ立ち寄ることができません。
せいぜい、朝現場へ向かう途中と、昼の休憩時間、次の現場が始まる時間まで余裕があるときくらいしか、コンビニなどのお店に立ち寄ることができないのです。
各現場では、作業開始時間が予め決まっています。約束の時間に合わせて動くことになるため、常に引越作業員は現場優先で動いているのです。そのため、用意していた飲み物がなくなっても、すぐに買いに行くことができないことがあります。
次の現場へ移動する際、時間に余裕があればコンビニなどへ立ち寄ることもできますが、忙しいときは立ち寄っている暇などありません。ましてや、アルバイト作業員が自ら申し出て飲み物を購入するためにコンビニへ立ち寄ることなど困難です。
それだけではありません。繁忙期は昼の休憩時間もままならない程、あらゆる現場で作業をすることになります。
作業中に、何度か休憩を挟むこともありますが、次の現場の作業開始時間が迫っているときは、休憩時間を設けずにひたすら作業に没頭することになるのです。
当然、飲みものを口にする時間はありませんし、飲物を切らしてしまったときは、購入できるタイミングまで我慢するしかありません。
このような背景があることから、飲物を差し入れすると、とても喜ばれることが多いのです。
ちなみに、飲みものを差し入れする際は、できるだけ希望を聞くことをお勧めします。もしも希望を聞くことが難しいのであれば、水、お茶、スポーツドリンクあたりを差し入れするとベストです。
もしくは、コーラなどの炭酸飲料でも問題ありません。疲れているときに糖分を摂取すると、疲労の回復が早まるからです。
ようするに、汗をかいたときや、疲れているとき、ご飯を食べる時に適している飲物は、引っ越し作業員に喜ばれやすいということです。
飲み物に関しても、一人ひとりに手渡した方が、渡しそびれてしまう等のアクシデントを防ぐことになるため、作業開始前や休憩時間のタイミングに差し入れすることをお勧めします。
荷物量が少ない単身の引越しだと、ご祝儀そのものを躊躇する人もいるようですが、現場の規模が小さいということは、作業員の人数も2名から3名と限られています。
飲物を1本購入したとしても、せいぜい150円程度です。ご祝儀の用意を検討してみてはいかがでしょうか。