引っ越しの際、食器類や割れ物の破損を経験したことがある人は、少なくありません。以下の図をご覧ください。
これは、引っ越しで割れ物が破損したことがある人の、アンケート結果を表した図です。約4割弱の人が、引っ越しで割れ物が破損したことがあると回答しています。
荷造りは手間や時間が掛ることもあり、苦手意識を持つ人は多いのですが、特に食器類や割れ物の梱包が苦手な人は多いようです。
また、「割れ物を梱包するのは難しい!」、「引っ越しの際、グラスはどうやって梱包すればいいの?」。そんな悩みを抱える人は、珍しくないといえるでしょう。
しかし、引っ越しの際の、食器類や割れ物の梱包は、決して難しいものではありません。ちょっとしたコツさえ掴めば、誰でも比較的簡単にできるものなのです。
そこで今回は、誰でもすぐに習得することができる、引越し際の食器類・割れ物の梱包方法についてご紹介していきます。
ご紹介する梱包方法を知ることで、苦手意識を払拭することができたり、新居で荷物を開梱したときに、「大切な食器類や割れ物が壊れていた!」というアクシデントが起こりづらくなるでしょう。是非、参考にしてください。
引越しで食器や割れ物を梱包する際は、必要となる資材を事前に準備しておきましょう。100均ですべて揃えることも可能です。以下にまとめてみました。
食器や割れ物を梱包する際は、新聞紙さえあれば十分です。もしも用意することが難しい場合は、100均やホームセンターで販売されている、梱包保護シートを購入すると良いでしょう。
30cm×30cmサイズで20枚から30枚入っています。価格は100円程度からです。
引っ越し業者によっては、「クレープペーパー」や「ミラマット」と呼ばれる、梱包用の資材を提供しているケースもあります。ただし、無料提供している業者は少ないようですので、無料提供が可能か相談しておくようにしましょう。
油性マジックは、ダンボールに内容物を記載する際に使用します。ノック式の油性マジックの方が、毎回キャップを閉める手間が省けるため便利です。
不要なタオル・衣類があれば、緩衝材代わりに使用すると良いでしょう。引っ越し業者が使用しているのは、エアーキャップや巻ダンボール、割れ物専用梱包ケースですが、そのような資材は用意しなくても問題ありません。
基本的に、テープは用意していなくても問題ありません。食器類や割れ物は、隙間なく梱包していくため、1つずつテープで止めなくても支障はないからです。もしも、テープで止めた方が作業しやすいのであれば、使用しても良いでしょう。
食器や割れ物には、それぞれ適切な梱包方法があります。形状に合わせて包むことと、力が加わると割れやすい箇所を補強することがポイントです。
新聞紙(梱包保護シートなど)を広げます。そして、梱包する左下の淵辺りに置きましょう。そのまま、クルクルと新聞紙を巻いていきます。
一通り巻き終わると、上下で新聞紙が余りますので、まずはグラスの底側にある新聞紙をグラスの底に向かってねじりましょう。
そうすることで、グラスの底を補強することができます。ねじり終わったらそのまま上方向に折り曲げ、あとはグラスの内側に押し込むだけです。これでグラスの淵も補強できますので、そう簡単にグラスが破損することはないでしょう。
新聞紙(梱包保護シートなど)を広げ、中央付近にお皿を置きます。あとは、お皿の内側に向かって四方を折り畳むだけです。
資材を節約したいときは、同じサイズのお皿を数枚重ねてサランラップで巻き、まとめて梱包しましょう。
その上から、更に資材を巻いて衝撃を和らげるようにすれば、運搬中にお皿が割れることはありません。ちなみに、引っ越し業者の作業員は、小皿サイズのお皿であれば、まとめて一度に梱包することがあります。
数十枚以上重なった「クレープペーパー」や「ミラマット」の上に1枚お皿を置き、四方を折り畳んだ後、その上にまたお皿を置いて「クレープペーパー」や「ミラマット」で四方を折り畳んでいくのです。
小皿が複数枚ある場合は、こちらの梱包方法を活用した方が作業が捗ります。ただし、大皿の梱包には向いていません。
グラスを梱包する際と、同じ要領で梱包していきます。蓋の部分は個別に梱包し、持ち手部分を急須や小型ポットの内側に向けて重ねましょう。そうすることで、持ち手の破損を防ぐことができます。
マグカップなどの取っ手が付いたものは、新聞紙(梱包保護シートなど)をねじって取っ手に巻き付けます。あとは、グラスを梱包する際と同じ要領で包んでいきましょう。
持ち手が付いているワイングラスなどは、持ち手の部分にねじった新聞紙を巻いて保護し、あとはグラスを梱包する際と同じ要領で包んでいきます。
蓋が空いている場合はしっかりと封をするか、サランラップで覆ってから輪ゴムで口を止めましょう。梱包方法はグラスと同じですが、底の部分で新聞紙(梱包保護シートなど)をねじる必要はありません。
食器類や割れ物を梱包する際は、使用頻度が低いものから片付けていきましょう。そして、新居ですぐに使用する食器類は、できるだけまとめて同じダンボールの中へ詰めるようにします。
そうすることで、新居で食器を探す手間が省けますし、荷解きの際も片づけがスムーズになるでしょう。
すぐに使用する食器類が入っているダンボールだけ、封をする際のガムテープの色を変えて目立たせるのも1つの方法です。
前項では、主に食器や割れ物類の包み方について解説しました。今回は、食器の梱包で気をつけたい、3つの注意点について取り上げていきましょう。
どんなに丁寧に食器や割れ物を包んだとしても、ダンボールへの詰め方が間違っていると、簡単に破損してしまいます。具体的には、以下のように詰めていくようにしましょう。
グラスの淵を下に向けて梱包するという意見もありますが、あまりお勧めはしません。なぜなら、グラスは底の部分の方が丈夫だからです。また、グラスは横からの力に弱いため、必ず立てて詰めるようにしましょう。
お皿は立てて詰め込んでいきます。その方が衝撃に強いからです。また、お皿を立てて詰め込んでいくと、ダンボールの内側に隙間が出来づらくなるため、破損しにくくなるというメリットもあります。
急須や小型ポットは、グラスと同様に底側を下に向けた状態で詰めるようにしましょう。尚、注ぎ口などの細い部分は、新聞紙や(梱包保護シートなど)で保護することをお勧めします。
カップの底を下に向けた状態で詰めていきます。取っ手部分が他の食器類などに当たらないように、必ず新聞紙(梱包保護シートなど)で保護しましょう。
グラスの底を下に向けて詰め込みます。ガラスの薄さによっては、ちょっとした衝撃でも破損する可能性があるため、新聞紙(梱包保護シートなど)でしっかりと保護しましょう。不要なタオルや衣類を用いると、更に衝撃を和らげることができます。
瓶は立てて詰め込んでいきますが、グラスとは違って衝撃に対してそれほど強くはありません。特に調味料が含まれた瓶は、他の瓶とぶつかるだけで割れる恐れがあります。
瓶同士が当たる箇所は、大目にダンボール(梱包保護シートなど)を挟んだり巻いておくようにしましょう。もしくは、不要なタオルや衣類を当てるのも1つの方法です。
食器類は、少量でもそれなりの重さとなります。そのため、一番小さなサイズのダンボールを使い、約半分くらいの高さのところまで詰めるようにしましょう。上限まで詰め込んでしまうと、破損の原因となります。
また、重量のあるダンボールは、搬入、搬出、新居での後片付けの際も大変です。
ダンボールの正面と側面には、割れ物が入っていることを、分かりやすく記載しておきましょう。割れ物シールがあれば、目立つ箇所に貼りつけておくことをお勧めします。
食器類や割れ物類の衝撃を緩和するためには、3つのポイントがあります。
①ダンボールの底に丸めた新聞紙を敷くこと
②大きさを揃えて隙間なく詰めること
③重たいものは下、軽いものは上に詰めること
以上の3つです。3つのポイントをしっかりと押さえているか確認したいときは、梱包後のダンボールを振ってみましょう。
カタカタと音がするなら、まだ隙間があるということです。上記の3つのポイントをを押さえているか、改めてチェックするようにしましょう。
梱包しづらい食器は、一体どうやって梱包したら良いのでしょうか。難しく考えてしまいがちですが、特に難しく考えることはありません。以下の3つのポイントをご覧ください。
急須、取っ手のあるカップ、持ち手があるグラスのように、注ぎ口や食器の一部分が細くなっているものは、ねじった新聞紙(梱包保護シートなど)を必ず巻くようにしましょう。
弱い部分に衝撃が伝わりにくくなれば、そう簡単に破損することはありません。
新聞紙や梱包保護シートなどは、食器類や割れ物を包むためだけに使用するわけではありません。ダンボールの中で、食器類が動かないようにするためにも使います。
ダンボールの底、食器と食器の間、空いてしまった隙間箇所に、丸めた新聞紙や梱包保護シート、不要なタオル、衣類などを詰めることで、破損を大幅に防ぐことができるでしょう。
ダンボールの底や側面は衝撃が伝わりやすいため、直接食器をくっつけてしまうと破損に繋がります。そのため、必ず間に新聞紙や梱包保護シート、不要なタオル、衣類など詰めるようにしましょう。
以上3つのポイントを抑えることで、どんなに梱包しづらい食器でも、破損することなく新居へ運ぶことができます。また、上手く食器を梱包できなかったとしても、かなり衝撃を緩和させることができるため安心です。
このように、引越しで食器や割れ物などを上手に梱包することは、決して難しいことではないことが分かります。梱包作業の中でも、キッチン用品の梱包は時間が掛ってしまいがちです。
しかし、コツさえ掴めば、比較的短時間で片付けることができるでしょう。