引っ越しの際に3tトラックを利用した場合、相場はどのくらいになるのでしょうか。部屋の広さからいうと、だいたい2Kあたりから3DK程度の広さとなります。そのため、2人家族で少々荷物量が多いタイプ。3人家族。それから、4人家族で少々荷物量が少ないタイプが、3tトラックを使った引越しをすることになるでしょう。
引っ越し料金は、基本料金、実費、付帯サービスを合計した金額となりますが、基本料金は必ず掛ってくる費用です。各引っ越し業者は、国土交通省が制定した「標準引越運送約款」に沿って、下限・上限料金から10%の範囲内で基本料金を決めています。複数の引越し業者の基本料金を比較した場合、料金に違いが見られるのはそのためです。
次に、以下の図をご覧ください。「標準引越運送約款」で定めている、2tトラック以上3tトラックまでの基本料金を表しています。
下限 | 上限 | |
---|---|---|
4時間 | 14,530円 |
21,790円 |
8時間 | 24,290円 |
36,430円 |
8時間以上からは1時間ごと | 2,400円 |
3,600円 |
100kmから110km | 26,860円 |
40,300円 |
190kmから200km | 36,950円 |
55,430円 |
具体的な表の見方ですが、引っ越し先までの距離が100km以下だった場合、時間制で基本料金が算出されます。たとえば、引っ越し先までの距離が100km以内であり、引っ越し作業が4時間以内だったとしましょう。その場合、下限14,530円の10%前後から上限21,790円の10%前後が、基本料金の相場となるのです。
尚、作業時間が8時間を超えたときは、1時間増えるごとに追加料金が発生します。目安としては、下限2,400円の10%前後から上限3,600円の10%前後です。作業時間は見積もりの際に決まりますので、4時間と8時間のどちらで計算されるのか、必ず確認しておきましょう。
次に、引っ越し先までの距離が100kmを超えた場合ですが、今度は時間制ではなく、距離制での計算方法に変わります。10km区切りで料金が定められており、100kmから110kmであれば、下限26,860円の10%前後から、上限40,300円の10%前後が基本料金の目安となるのです。
主に、近距離の引っ越しは時間制。長距離の引っ越しは距離制で算出されると覚えておきましょう。ちなみに、冒頭でも触れたとおり、引っ越し料金は、基本料金、実費、付帯サービスを合計した金額となります。上記で解説したのは、あくまでも基本料金の部分だけです。実際に支払う引っ越し料金は、もう少々高くなります。
次に、以下の図をご覧ください。この図は、2人家族、3人家族、4人家族の平均引っ越し料金を距離別で表し、更に閑散期と繁忙期ごとに分けてみました。
2人家族 | 3人家族 | 4人家族 | |
---|---|---|---|
15km未満 | 61,918円 |
75,982円 |
86,123円 |
50km未満 | 65,662円 |
87,990円 |
98,042円 |
200km未満 | 83,671円 |
98,910円 |
119,439円 |
2人家族 | 3人家族 | 4人家族 | |
---|---|---|---|
15km未満 | 77,861円 |
96,280円 |
104,575円 |
50km未満 | 80,529円 |
110,905円 |
118,006円 |
200km未満 | 101,744円 |
148,382円 |
160,921円 |
3tトラックを使用した引っ越しは、主に3人家族がメインとなりますが、2人家族でも荷物量が多かったり、4人家族でも荷物量が少ない場合は、3tトラックを使用することがあるでしょう。
そのため、たとえば2人家族が閑散期に引っ越しをした場合、15km未満の近距離であれば、61,918円が平均費用となっていますが、荷物量が多い場合はもう少々料金が上乗せされます。なぜなら、荷物量が多い分、作業員が1名追加されることがあるからです。
一方、4人家族が閑散期に引っ越しをした場合、15km未満の近距離であり、尚且つ荷物量が少ないのであれば、86,123円より少々安くなると考えていて良いでしょう。さて、3tトラックを使用した引っ越し料金の相場が分かったところで、次に3tトラックを使用した近距離引っ越し料金に焦点を当てて、より詳しく解説していくことにします。
近距離の引っ越しで3トン車を利用する場合、どの程度の引っ越し費用がかかるのでしょうか。引っ越し業界でいう近距離とは、引っ越し先が50km以内までのことを指しています。そのため、引っ越しの基本料金に関しては、時間制で計算されることになるでしょう。
前項でご紹介した図を、以下でもう一度ご覧ください。2人家族、3人家族、4人家族ごとに分けて、距離別で表しています。また、繁忙期と閑散期では引っ越し料金が異なるため、それぞれ別に表してみました。
2人家族 | 3人家族 | 4人家族 | |
---|---|---|---|
15km未満 | 61,918円 |
75,982円 |
86,123円 |
50km未満 | 65,662円 |
87,990円 |
98,042円 |
2人家族 | 3人家族 | 4人家族 | |
---|---|---|---|
15km未満 | 77,861円 |
96,280円 |
104,575円 |
50km未満 | 80,529円 |
110,905円 |
118,006円 |
たとえば、繁忙期に4人家族で引っ越しをすることになったとしましょう。50km圏内であれば、118,006円が4人家族の平均的な引っ越し相場料金となります。しかし、荷物量が少なく、3t車で十分引っ越しが可能だった場合、10万円以下まで費用を抑えることも可能です。
一方、2人暮らしでも荷物量が多い場合は、3人家族の平均相場と同じくらい掛ることもあるでしょう。近距離引越しにかかる料金の目安は以上となりますが、料金の内訳を細分化して、もう少々詳しくみていくことにします。
今度は、3人家族の引っ越しを例に挙げます。閑散期に15km未満のところへ引っ越しをする場合、平均相場は75,982円です。つまり、基本料金、実費、付帯サービスの合計金額の相場が、75,982円ということになります。
まず基本料金ですが、標準引越運送約款の上限金額である21,790円だったとしましょう。また、3t車で引っ越しをする場合、作業員の人数は3名が妥当です。人件費は業者ごとで異なるものの、1人あたり1万円から15,000円程度が相場とされています。
ここでは作業員の人件費を、1名あたり1万円として計算していきましょう。この時点で、すでに51,790円かかっています。基本料金と人件費は、割引に限界がある費用です。そのため、どの引っ越し業者へ依頼しても、5万円を大きく下回ることはないと判断できます。
尚、残りの24,192円分に関しては、使用する資材の種類や量、オプションサービスの利用有無によって変わってくるところです。引っ越し費用を安く抑えたいのであれば、24,192円の部分をどこまで抑えるかがカギとなります。
それから、もう1つ忘れてはならないのが割増料金です。閑散期の平日で、時間帯を指定しなければ、割増料金がかかることはまずありません。割増料金が発生するのは、早朝や深夜の時間帯に引っ越しをする場合です。他にも、北海道や東北地方のように、冬季だけ割増料金が発生することもあるでしょう。
また、エレベーターが無いマンションやアパートの、3階から4階以上の上層階に住んでいる、もしくはこれから住む場合、1階上にあがるごとに1,000円から2,000円程度の追加料金が発生することもあります。なぜなら、搬出や搬入に時間がかかるからです。
基本料金と人件費、割増料金に関しては、どの引っ越し業者もさほど変わりはありません。複数の引っ越し業者の見積もりを比較する際は、これらの費用以外で、どの程度違いがあるのかを確認するようにしましょう。
次に、3tトラックを使用した、長距離引っ越し料金の相場について取り上げていくことにします。まずは、以下の表をご覧ください。2つの図は、閑散期と繁忙期の長距離引っ越し相場を表しています。今回は、2人家族、3人家族、4人家族ごとに分け、更に50kmから200km未満と500km未満ごとに分けてみました。
2人家族 | 3人家族 | 4人家族 | |
---|---|---|---|
50km~200km未満 | 83,671円 |
98,910円 |
119,439円 |
500km未満 | 114,814円 |
142,182円 |
176,917円 |
長距離の引っ越しは、短距離と違って引っ越し業者の規模によって料金が異なってきます。ようするに、全国各地に営業所がある大手の引越し業者の方が、引っ越し費用を安くできるのです。なぜなら、作業員やトラックの手配などに、手間、時間、費用がさほどかからないからです。一方、中小規模の引越し業者の場合は、大手の引越し業者のような仕組みがありません。
独自のネットワークを駆使して引っ越しを行います。そのため、作業員やトラックの手配などに、手間、時間、費用がかかってしまいます。つまり、大手の引越し業者よりも安くすることが難しいのです。次に、具体的な例を挙げながら、料金相場についてみていくことにしましょう。
たとえば、3人家族が閑散期に200km離れた場所へ引っ越しをするとします。その際に使用するトラックは3tトラックで、作業員は3名です。基本料金は、「標準引越運送約款」で定められている上限金額の55,430円とします。人件費は、1人1万円としましょう。
当日中に引っ越しが完了する場合は、55,430円プラス人件費の3万円を合わせた85,430円が最低限必要となります。しかし、作業開始時間が遅い時間帯だったときは、翌日にならないと荷降ろしができないこともあるでしょう。
すると、更に人件費が3万円プラスされて、115,430円となります。3人家族が閑散期に200km離れた場所へ引っ越しをする場合、上記でご紹介した表をみると、相場費用は98,910円となっています。しかし、これは当日中に引っ越しが完了する場合に限るのです。
その点が、近距離の引っ越しとは大きく異なる点だといえるでしょう。近距離の引っ越しであれば、混載便を利用しない限り当日中に引っ越しは完了します。それが、長距離の引っ越しだと、当日に引っ越しが完了するとは限らないのです。となると、別途作業員を手配しなければならず、人件費が倍掛ることになります。
上記でご紹介した長距離の引っ越し料金相場は、ある程度参考になるものです。しかし、移動先までの距離や、作業開始時間によっては、相場より高くなることがあると覚えておきましょう。とはいえ、引っ越し費用は工夫次第で安くなります。たとえば、不要なオプションサービスを外したり、資材の料金を割引にしてもらうのです。
それから、引っ越し先までの距離が長距離であっても、当日中に引っ越しを完了させることができるならば、できるだけ当日中に引っ越しを終えるようにしましょう。その際、早朝割増を支払うことになったとしても、人件費を倍支払うよりは安く済ませることができるはずです。
最後に、3tトラックの制裁量について取り上げていくことにします。3tトラックは、普段あまり見掛けませんので、どのくらいの大きさなのか分かりづらいものです。3tトラックの概要を表にまとめてみましたので、是非参考にしてください。
3tトラックの積載量 | ||
---|---|---|
引越の規模 | 荷物が多い2人家族から荷物が少ない4人家族まで |
|
部屋の広さ | 2Kから3DK程度まで |
|
コンテナサイズ | 高さ:2.2m 横幅:2m 奥行:5m |
|
床面積 | 約6畳分(14㎥程度) |
|
車体の幅 | ぎりぎり対向車とすれ違い可能 |
|
荷物量一例 | 電子レンジ 掃除機 扇風機 加湿器 プリンター1台 全自動洗濯機 DVDプレイヤー デスクトップPC1台 冷蔵庫(大型サイズ) 液晶TV32インチ以下 本棚(中型サイズ) テーブル(中サイズ) テレビ台(小サイズ) 食器棚(中型サイズ) カーペット(8畳以上) ソファー(2人掛け程度) |
姿見 学習机 飾り棚 サイドボード ハンガーラック 電子レンジ台 セミダブルベッド スノーボード 布団一式(2~3) 自転車2台(大人用) 自転車1台(子供用) 整理ダンス(中型サイズ) カラーボックス(3段以下) 食卓テーブル(2人から4人用) 衣装ケース(中サイズ10個) ダンボール(小20から30個) ダンボール(大20個) |
尚、上記の荷物量は、3tトラックに積むことができるギリギリの量です。分解できない家具や家電が多い場合は、4tトラックになる可能性もあるため、できる限り荷物をコンパクトにまとめるようにしましょう。
また、カラーボックスや衣装ケースなど、引っ越しを期に買い替えることができるものは、現地で調達することでその分他の荷物を積むことができます。必要な荷物と不要な荷物を分別し、不要なものは処分しましょう。