引っ越しでバイクを新居へ持っていきたい場合、どのくらいの費用が掛るのでしょうか。また、引越しに伴うバイクの手続き内容に関しても、事前に確認しておきたいものです。詳しくみていくことにしましょう。
近年、バイクの所有率が低下しているようです。まずは以下の図をご覧ください。
これは、バイクや原付を所有している人の割合を表しています。ご覧の通り、全体の約85%にあたる人が所有していないと回答しました。
ということは、バイクの引越し手続きや費用のことで悩む人は、それほど多くはないといえそうです。そのためか、バイクや原付の引っ越し事情に詳しい人は少なく、「一体、何から手をつけて良いか分からない!」という声を耳にすることが多々あります。
そこでこの項では、バイクの排気量毎に分けながら、必要となる手続き方法、引越し業者へ依頼した際の相場費用、専門業者へ依頼した際の相場費用について、詳しく解説していくことにしましょう。是非、参考にしてください。
原付バイクは、各市区町村が管轄となっています。そのため、同一市町村内で引っ越しをするのであれば、原付バイクの住所変更手続きを行う必要はありません。
窓口へ転居届を提出すると、自動的に住所変更が行われるようになっています。もちろん、ナンバープレートは同じものを使用して問題ありません。
手続きに必要となる持ち物 | |
---|---|
同一市内 | 手続き不用 |
他の市区町村 | 標識交付証明書、ナンバープレート、印鑑、身分証明書(住所確認のため)、廃車申告受付書 |
余談ですが、転居先の市区町村役場で、廃車手続きと登録手続きを一度に行うこともできます。忙しくて時間が無い場合は、まとめて手続きを行うのも一考です。
また、『標識交付証明書』を紛失した場合は、登録している市区町村役場にて再交付してもらいましょう。
原付バイクを引っ越しで持っていく場合、輸送費用はどのくらい掛るのでしょうか。つまるところ、引越し業者へ依頼するか、専門業者へ依頼するかによって費用が異なります。
原付バイクの輸送を引越し業者へ依頼した場合、50cc以下のものであれば他の家財道具と一緒に運んでもらえることがほとんどです。
ただし、すべての引っ越し業者で原付バイクの輸送を行っているわけではありません。特に中小規模の引っ越し業者の場合は、依頼することが難しいケースが目立ちます。
また、依頼可能だったとしても、別の専門業者を紹介される形式となり、費用がその分高くなるのが一般的です。
平均的な費用ですが、引越し業者の場合は無料で輸送可能なこともありますし、たとえば移動距離が400km(東京大阪間)前後だと、15,000円から35,000円程度が目安料金となります。
一方、専門業者へ依頼した場合、同じように400km程度の移動距離であれば、20,000円から25,000円程度が相場料金です。
実際のところ、依頼する業者によって費用が異なるため、引越し業者と専門業者のどちらに依頼するのがベストなのかはケースバイケースです。事前に見積もりを取って、確認するしか方法はありません。
排気量が126~250cc以上になると、陸運支局で手続きを行うことになります。旧居と新居の住所が同じ陸運支局の管轄内であれば、手続きは同じ陸運支局です。
次に記載する持ち物を揃え、窓口へ提出しましょう。軽自動車届出済証記入申請書、軽自動車届出済証、自動車損害賠償責任保険証書、転居先の住所が記載された住民票(発行から3か月以内)、印鑑です。
引越しに伴い、バイクのナンバープレートが変更となることはありません。引き続き同じナンバープレートを使用しましょう。
陸運支局管轄外へ引っ越しをする場合、新しい住所を管轄している陸運支局で、住所変更とナンバープレートの変更手続きを行います。
必要となる持ち物は、軽自動車届出済証、自動車損害賠償責任保険証書、軽自動車届出済証返納届、転居先の住所が記載された住民票(発行から3か月以内)、印鑑、古いナンバープレートです。
同じ陸運支局の管轄内で引っ越しをする場合とは異なり、ナンバープレート(600円程度必要となる)が変わるため、軽自動車届出済証記入申請書は必要ありません。
かわりに軽自動車届出済証返納届が必要となります。尚、住所変更手続き後、15日以内までに届出を提出しましょう。
ちなみに、軽自動車届出済証記入申請書と軽自動車届出済証返納届は、管轄となる陸運支局か自動車検査事務所から入手します。
手続きに必要となる持ち物 | |
---|---|
陸運支局管轄内 | 軽自動車届出済証記入申請書、軽自動車届出済証、自動車損害賠償責任保険証書、転居先の住所が記載された住民票、印鑑 |
陸運支局管轄外 | 軽自動車届出済証、自動車損害賠償責任保険証書、軽自動車届出済証返納届、転居先の住所が記載された住民票、印鑑、古いナンバープレート |
引っ越し業者にバイクの輸送を依頼した場合、移動距離が400km程度だと3万円台からとなっています。これは、専門業者へ依頼した場合と同様で、それほど差はありません。
引越し業者へ依頼するよりも、専門業者へ依頼した方が安く済むことがほとんどです。
126~250ccバイクと同じように、管轄の陸運支局で手続きを行います。陸運支局管轄内での引っ越しの場合、申請書、自動車検査証、住民票(発行から3か月以内)、手数料、納付書、印鑑が必要です。ナンバープレートが変わることはありません。
陸運支局の管轄外へ引っ越しをする場合、新居の住所を管轄している陸運支局で手続きを行います。持ち物としては、申請書、自動車検査証、住民票(発行から3か月以内)、手数料納付書、古いナンバープレートです。
住所を変更してから15日以内に届出を提出します。新しいナンバープレートの費用は、600円程度です。
手続きに必要となる持ち物 | |
---|---|
陸運支局管轄内 | 申請書、自動車検査証、住民票、手数料、納付書、印鑑 |
陸運支局管轄外 | 申請書、自動車検査証、住民票、手数料納付書、古いナンバープレート |
251cc以上のバイクになると、輸送にかかる費用がアップします。引越し業者へ依頼した場合ですが、移動距離が400km程度で排気量が400cc程度までなら3~4万円台です。これが、750ccを境に5万円から7万円前後となります。
一方、専門輸送業者へ依頼した場合ですが、引越し業者ほど高くはならないのが現状です。移動距離400km程度で、排気量が750cc以下だと35,000円前後。
750cc以上であれば3万円台後半くらいからの輸送費で済みます。専門輸送業者によっては、もう少々費用を抑えることが可能なケースもあるようです。
以上が、排気量毎の手続き方法、必須となる持ち物、引越し業者へ依頼した際の相場費用、専門業者へ依頼した際の相場費用でした。これらの手続きは、代理人が行うことも可能です。
その場合、必ず委任状が必要となります。自分で手続きを行うことが難しいようであれば、代理人へ依頼することも検討しましょう。
バイクや原付を引越し先へ輸送する場合、いくつか注意しておきたいことがあります。今回は、特に重要な3つをピックアップしました。それぞれ、詳しく見ていくことにしましょう。
ガソリンは危険物として扱われています。輸送中の事故を防止するためにも、ガソリンは事前に処分しておかなければなりません。
ガソリンスタンドへ行けば、簡単に処分できますので、引越し当日までには給油タンクの中を空に近い状態にしておきましょう。
ちなみに、原付バイクの引っ越しであれば、そこまでシビアに考える必要はありません。なぜなら、元々原付バイクの給油タンクは小さいため、ちょっと遠出をすればすぐに空にできるからです。
排気量が多くなるほど、そう簡単に給油タンクを空にすることはできなくなるため、引越し当日になって慌てないためにも、早めに処分することをお勧めします。
バイクや原付を輸送する際、1台だけ輸送するということはあり得ません。複数台を一気に輸送するケースがほとんどだからです。これは、引越し業者へ依頼した場合でも、専門の輸送業者へ依頼した場合でも同様の扱いとなります。
そのため、引越し先の場所によっては、最短でも4日から5日前後の日数が掛ってしまうことがあるのです。遠方へ引っ越しをする場合や、冬場の寒い時期にバイクや原付に乗って移動することは困難ですが、
もしも近場へ引っ越しをするのであれば、自分で乗っていくのも一考です。
もしくは、引越し先ですぐにバイクや原付に乗ることは、諦めるしかないといえます。どうしても急いで届けて欲しい場合、追加料金を支払えば対応可能なケースもあるようです。
しかし、かなり割増となることを覚悟した上で依頼しましょう。
輸送前は、積んである荷物をすべて出しておきます。また、車両の傷の確認や、走行距離を控えることも忘れずに行っておきましょう。心配な場合は、保険をかけておくのも一考です。
事前にバイクの状態をチェックしておかないと、輸送後にトラブルが発生したとしても証拠が無いため対処のしようがありません。メモに残しておいても紛失する恐れがありますので、携帯やスマートフォンなどで写真を撮っておくと便利です。
バイクや原付の輸送を、専門の輸送業者と引越し業者のどちらに依頼するのが最適なのか、最後まで迷う人が多いようです。
結論から言いますと、自分で依頼する手間は掛りますが、費用を安く抑えることができるのは、専門の輸送業者です。
1万円から2万円前後、費用が違ってくるのが一般的だからです。また、専門の輸送業者の場合、引越しの際の住所変更などの手続きを代理で行ってくれることもあります。
元々輸送料金の中に代行手続きの費用が含まれているケースもありますし、別途請求されるケースもあるようです。
見積もりの段階で、事前に確認しておくことをお勧めします。また、引越し業者へ依頼するメリットですが、自分で輸送手配をする手間が省けるという点につきます。忙しくて自分の手を患わせたくない場合はお勧めです。
引っ越し業者によっては、仲介手数料を取らないこともありますし、バイクの輸送で費用が掛る分、引越し料金を安くしてもらえることもあります。そのため、引越し業者へ依頼したからといって、必ずしも高くなるとは言い切れないのです。
いずれにしろ、必ず見積もりを取って、どのくらい費用が掛るのか把握してから依頼するようにしましょう。
ちなみに、バイクや原付を持って行ったは良いものの、転居先の地域によっては全く乗らなくなるケースも少なくありません。乗らない可能性が高いのであれば、高い輸送費を支払うのではなく、廃車にすることも検討しましょう。
バイクを廃車にする際にかかる費用は、せいぜい3,000円前後から5,000円前後です。また、解体引き取りを依頼した場合でも、最大で7,000円から8,000円程度しか掛りません。
もしもリサイクルを利用して廃車にした場合、返金して貰えるケースもあるものです。そう考えると、引っ越し先でバイクや原付を使用しない可能性が高いのであれば、輸送はせずに廃車にしてしまった方が良いかもしれません。
バイクや原付バイクの廃車手続きは、難しい手続きではない為、自ら行うことも十分可能です。もしくは、業者へ買取見積もりを依頼してみることをお勧めします。万が一買取が困難だったとしても、無料で廃車にして貰えることがあります。