引っ越しの準備は、いつから始めたらよいのでしょうか。実際のところ、仕事や家事の隙間時間を使って着々と準備をしていかないと、引っ越し当日になって大慌てをすることになります。そこで、まずは引っ越しの準備を始めるタイミングについて、詳しくみていくことにしましょう。
以下の図をご覧ください。これは、引っ越し準備を始めたタイミングについて表した統計データです。ご覧の通り、一番多いのは2週間から1カ月未満であることが分かります。
次に多いのは1週間から2週間未満、続いて1ヶ月から2ヵ月未満です。このことからも分かる通り、引っ越し当日から数えて1ヶ月前後から準備を始めると、引っ越し当日までにはすべて終わらせることができるといえるでしょう。
ただし、単身の引っ越しと家族の引っ越しとでは、準備に掛る期間が異なります。なぜなら、荷物の量が違いますし、小さなお子さんがいる場合や、仕事が忙しい場合は、手続きや荷造りに時間を割くことができないケースが多いからです。
そのため、上記の統計データは、あくまでも準備期間の目安として捉え、引っ越し準備に充てることができる時間を明確にした上で、早めに行動することをお勧めします。
引っ越しが決まった際、いつから準備を始めれば良いか目安が分かったところで、今度は「何から手を付けた方が良いか?」詳しくみていくことにしましょう。
まずは、以下の図をご覧ください。これは、引っ越しで後悔したことを集計したアンケート結果です。
順位 | 引越しで後悔したこと | 割合 |
---|---|---|
1位 | 丁寧に荷造りしておけば良かった | 26.5% |
2位 | 荷造りや荷物整理を早くやっておくべきだった | 18.7% |
3位 | 引越し代が高くついた | 16.2% |
4位 | 大切な家具や荷物が破損した | 13.4% |
5位 | 引越し完了に時間がかかった | 11.2% |
その他 | 手続きや片付けのことまで考えていなかった等 | 8.6% |
上図の内容は、引っ越しの準備期間をきちんと程度設けていれば、事前に防ぐことができた内容ばかりです。また、荷造りに関する後悔が、トップ5に3つランクインしています。このことからも、荷造りは早い段階から、計画性をもって着手した方が良いといえるでしょう。
また、「いつまでに何を終わらせておけば良いか」を明確化することは、引っ越しの準備をスムーズに進める上でとても大切です。そこで、引っ越しの準備期間を1ヶ月間と想定し、その間に終わらせておくべき具体的な内容を、以下で詳しく解説していくことにします。
引っ越しが決まった時点で、すぐに退去手続きを行うようにしましょう。解約のタイミングによっては、翌月の家賃が発生してしまうからです。多くの賃貸契約では、退去する1ヶ月前に申告することになっています。
引っ越しが決まった時点で、早めに引っ越し業者へ連絡し、見積もりを依頼しましょう。閑散期、繁忙期に関係なく、早めに引っ越しの予約をすることで、割引率が高くなります。
また、見積もりは3社から4社程度へ依頼することをお勧めします。その中で、納得できる価格とサービス内容を提示してくれる業者を選びましょう。あまり多くの業者へ見積もりを依頼しても、驚くほど格安になることはありません。
郵便物の移転手続きは、ついつい後回しにしてしまいがちです。そのため、転居先への入居日が決定した時点で、早めに手続きを行うようにしましょう。郵便局の窓口で手続きを行うことも可能ですが、転居届をポストへ投函するだけで済ませることもできます。
ネットからの転居手続きは、1週間前後時間がかかることもあるため、できるだけ窓口かポスト投函で手続きを行うようにしましょう。
引っ越し先のマンションやアパートで、すでにインターネットの利用環境が整っているケースもあります。しかし、大半は自ら転居手続きや解約手続き、新規申し込みを行う必要があるでしょう。インターネット関連の手続きは、ついつい忘れがちな手続きとなるため、早めに終えておくことをお勧めします。
粗大ゴミは、好きなタイミングで処分することができないものです。ゴミの種類によって、処分のやり方が異なりますし、処分に掛る費用も違います。回収事業者へ事前連絡をして、指定された日に指定された場所へ出しておかなければならないのです。
そのため、引っ越し直前になって処分しようと思っても、引っ越し当日に間に合わない可能性があります。粗大ゴミは、できるだけ早いタイミングで処分するようにしましょう。
固定電話を利用している場合、移転手続き、転出手続き、転入手続き、解約手続き、新規申込みと、状況によって手続きの内容が異なります。場合によっては、手続きに時間がかかる可能性もあるため、早めに問い合わせをして、必要な手続きを終わらせておきましょう。
1ヶ月前から行う荷造りは、新居へ持っていくものと、処分してしまうものの振り分けから始めます。なぜなら、ゴミの種類によって、処分の方法が異なるからです。特に粗大ゴミを自分で処分する場合、各自治体の指示に従わなければなりません。
引っ越し間近で処分しようと思っても、粗大ゴミを回収できる日は自治体の回収日に合わせる必要があるため、早めに処分することをお勧めします。
窓のサッシ、レンジ周り、ガスレンジ周りなどの汚れが酷い場所は、早めに掃除をしておくと後々楽をすることができます。また、退去する際は、部屋を綺麗な状態で引き渡した方が、余計な費用をかけずに済むでしょう。そのため、日にちに余裕があるうちから、こまめに掃除を済ませておくことをお勧めします。
引っ越し先の間取り図を確認した上で、レイアウトを決めておきましょう。そうすることによって、荷造りをしながら荷物を運びこむ部屋の名前を、梱包が完了したダンボールへ書き込むことができます。
また、早めにレイアウトの配置図を作成しておけば、引っ越し作業員としても、荷物ごとに搬入先を確認する手間が省けるため一石二鳥です。
旧居で使用していた荷物が、そっくりそのまま新居へ入るかどうかは、事前に確認しておかなければ分かりません。たとえば、家具や家電などの大型の荷物は、新居のマンションやアパートの入口、階段やエレベーター、共用部の踊り場、玄関などで引っ掛かってしまって、搬入出来ないことがあります。
そのため、新居へどれくらいの量の荷物を運び込むことができるのかという点と、大型の家具や家電を搬入することができるのかという点は、事前に確認しておくことが大切です。
引っ越し業者へ引っ越しを依頼する際、旧居や新居のマンション、アパートの建物のすぐ近くに、トラックを横付けできるか確認しておきましょう。万が一、横付けができなかったり、建物から離れた場所へ停車しなければならないときは、作業員を増員する必要が出てきます。
ありがちなのは、引っ越し当日になって、トラックの横付けができない事実が判明するケースです。見積もり時に提示されていた金額よりも、多く費用がかかることもあるため、早めに確認しておくようにしましょう。もしも、新居のマンションやアパートの近隣の様子が分からない場合は、不動産管理会社や大家さんへ相談することで教えてもらうことが出来るはずです。
以上が、引っ越し1ヶ月前に終わらせておくべき具体的な内容でした。上記でご紹介した手続き内容に関する、連絡先、手続き手段は以下の通りです。
手続き内容 | 連絡先 | 手続きの手段 |
---|---|---|
賃貸解約手続き | 不動産管理会社 | 電話連絡,書面 |
引越し業者見積もり依頼 | 各引越し業者 | WEB、電話連絡 |
郵便物の転居手続き | 郵便局 | WEB、書面、窓口 |
インターネット関連手続き | 回線事業者、プロバイダ | WEB、電話連絡 |
粗大ゴミの予約 | 環境事業局など | 電話連絡 |
固定電話の関連手続き | 固定電話事業者 | WEB、電話連絡 |
引っ越し当日から数えて2週間前であれば、転入と転居手続きが可能です。同一市区町村内への引っ越しであれば、1日で手続きが完了するため、早めに終えておきましょう。手続きの際は、身分証明書や印鑑が必要となることもあるため、各市区町村の公式ホームページにて持ち物の確認を済ませておくことをお勧めします。
転出届けを提出するだけで、手続きが完了するケースもあります。しかし、各自治体ごとで手続きの方法が異なるため、必要となる書類や持ち物を確認した上で、遅くとも引っ越しの1週間前には手続きを完了しておきましょう。
国民健康保険を支払っている場合、資格喪失手続きが必要となります。同一市町村内への引っ越しであれば、同時に加入手続きも済ませてしまいましょう。
一方、国民年金は、転出時に手続きは必要ありません。転入先にて、住所変更を行うことになります。そのため、引っ越し前に行う手続きは特にありません。
児童手当、乳児医療費助成手当、老人医療手当など、福祉関連手続きにはいくつか種類があります。必要となる書類は様々ですので、事前に問い合わせをして早めに終えておきましょう。
小学生や中学生のお子さんがいる家族は、転校手続きが必要となります。市内、市外問わず手続きの流れは大きく異なりませんが、引っ越しが決まった時点で、現在通っている学校の担任教師に連絡をしておきましょう。
最後の登校日までに、「在学証明書」、「教科書給与証明書」が発行されます。市内間での引っ越しであれば、市町村役場で転居手続きを行う際、「転入学通知書」が発行されるでしょう。
市外への引っ越しの場合は、引っ越し先の市町村役場で転入手続きを行った際に、「転入学通知書」が発行されます。後は、転校先の学校へ「転入学通知書」、「在学証明書」、「教科書給与証明書」を提出するだけです。
転居先によって手続きのタイミングが異なりますが、同一市町村内であれば転居届を出した時点で、住民票の取得が可能となります。免許証の住所変更時に住民票が必要となるため、普段運転する機会が多い人は手続きを済ませておきましょう。
転居先が市外である場合は、転入手続きを行ってから住民票を取得し、免許証の住所変更を行う流れとなります。
旧居で賃貸保証会社を利用している場合、解約手続きが必要となります。手続きを忘れてしまうと、後に更新料を請求されるなどトラブルが発生しますので、解約手続きは早めに終えておきましょう。
どんなに遅くとも、転居する1週間前には解約の連絡をしておきましょう。ガスの閉栓時は、立ち合いが必要となるケースもあります。
また、転居先でも同じ電気会社や水道会社を利用するときは、同時に新居の開始手続きも済ませてしまいましょう。ガスの場合は、新居で利用するガス会社に開栓の依頼連絡をし、同時に新規契約手続きも行う必要があります。
新聞を取っている場合、忘れてしまわないうちに解約の手続きを済ませておきましょう。新居でも引き続き同じ新聞社から新聞を取る場合は、転居先の地域を担当している販売店にも連絡をしておきます。
NHK、生命保険、銀行、クレジットカード、ローン関連、携帯電話、定期購入している宅配サービスなどは、住所変更を忘れてしまがちです。引っ越しをした後からでも手続きは可能ですが、引っ越し直前や直後は荷造りや荷解きで忙しくなるため、早いタミングで済ませておきましょう。また、集金がある場合は、引っ越し当日までに清算しておくことをお勧めします。
株券や証券を持っている場合は、住所変更が必要となります。ホームページ上から手続きを行うか、電話連絡をして手続きを完了させておきましょう。
ケーブルテレビの解約、住所変更いずれの場合も、撤去工事が必要となる可能性があります。転居時の手続き方法を確認するためにも、早い段階で連絡しておくようにしましょう。
旧居で契約していた火災保険は、事前解約が必要です。契約の状況によっては、払い戻しがある可能性も考えられますので、問い合わせをして確認しておきましょう。
犬や猫などを飼っている場合、引っ越し作業中に預かってくれる場所を探しておきましょう。早目に予約をしておかないと、引っ越しの作業が捗らないなど、支障が出てしまいます。
また、旧居の市区町村役場か保健所にて、旧鑑札と予防接種済書を提出する必要があります。手続きに必要となる持ち物を確認した上で、手続きをしておきましょう。
引っ越しの1週間前になった時点で、不用品かどうかの振り分け、処分は済ませておきたいものです。また、季節ものや使用頻度が少ないものも、荷造りを終わらせておくことをお勧めします。
引っ越しの直前や直後は、荷造りや荷解きなどに追われて粗品の買い物をしている時間がありません。引っ越しの挨拶を考えている場合は、早めに粗品を用意しておきましょう。日用雑貨やお菓子を粗品とするケースが一般的です。
冷蔵の中身は、早い段階から整理をしておくことをお勧めします。なぜなら、近隣に引っ越しをする場合を除いて、引っ越し当日までに食べ切れなかったものは、すべて廃棄することになるからです。
食料品の買い物はできるだけ控えて、冷蔵庫の中にあるものを食べ尽くしてしまいましょう。また、冷蔵庫の中身は細々としたものが多く、荷造りに時間がかかります。そのような理由からも、早いタイミングで冷蔵の中が空になるようにしたいものです。
転居先で利用するものは、引っ越し前から揃えておきましょう。そうすることで、新居へ入居した後は、ゆっくりと片付けに専念することができます。
また、カーテンやカーペットを買い替える場合は、入居前に揃えておくことをお勧めします。
なぜなら、入居後に購入すると、配置した家具をずらす手間が発生したり、カーテンを購入するまでの間、外から部屋の中が丸見えの状態となってしまうからです。新居が決まった時点で窓のサイズや床面積を確認し、買い揃えておくようにしましょう。
どんなに厳重に扱ったとしても、パソコンが壊れてしまうことはあるものです。そのため、バックアップは早めに取っておくようにしましょう。
普段からこまめにバックアップを取っている場合、そこまで時間がかかることはありません。しかし、ほとんどバックアップ作業を行ったことが無い場合は、半日ほど掛ってしまうことがあるでしょう。そのため、まだ日数に余裕があるうちに、パソコンのバックアップは取っておくことをお勧めします。
特定の病院へ通っており、遠方へ引っ越しをする場合は、通院中の病院にて紹介状を出してもらいましょう。早目に連絡をしておかないと、紹介状を郵送してもらうことになり、転居先ですぐに病院へかかることができない可能性があります。
以上が、引っ越し1週間前から2週間前に終わらせておくべき具体的な内容でした。上記でご紹介した手続き内容に関する、連絡先、手続き手段、持ち物は以下の通りです。
手続き内容 | 連絡先 | 手続きの手段 | 持ち物 |
---|---|---|---|
転入・転居手続き | 市区町村の役場 | 直接訪問 | 身分証、印鑑 |
印鑑登録廃止手続き | 市区町村の役場 | 直接訪問 | 登録印、印鑑登録証 |
国保・年金手続き | 市区町村の役場 | 直接訪問 | 国民健康保険証 年金手帳 身分証、印鑑 |
福祉関連手続き | 市区町村の役場 | 直接訪問 | 身分証、印鑑 |
転校手続き | 学校、市区町村役場 ※教育委員会の場合もあり |
直接訪問 (学校への訪問は不要の可能性あり) |
印鑑使用の可能性あり |
免許証の住所変更 | 警察署もしくは運転免許場 | 直接訪問 | 住民票、印鑑 |
賃貸保証会社解約 | 賃貸保証会社 | WEB、電話連絡 | 特になし |
電気、ガス、水道の移転手続き | 電力会社、ガス会社、市町村の水道局 | WEB、電話連絡 | 特になし |
新聞の解約と契約 | 新聞販売店 | 主に電話連絡 | 特になし |
NHKの住所変更 | NHK | WEB、電話連絡 | 特になし |
保険関連の住所変更 | 各保険会社 | WEB、電話連絡 | 特になし |
銀行口座の住所変更 | 各金融機関 | WEB、電話連絡、窓口 | 特になし |
クレジットカード関連の住所変更 | クレジット会社 | WEB、電話連絡 | 特になし |
ローン関連の住所変更 | 各種ローン会社 | WEB、電話連絡 | 特になし |
携帯電話の住所変更 | 携帯電話会社 | WEB、電話連絡 | 特になし |
株券、証券の住所変更 | 株券、証券会社 | WEB、電話連絡 | 特になし |
ケーブルテレビの解約・住所変更 | 契約中のサービス窓口 | WEB、電話連絡 | 特になし |
現住所の火災保険解約手続き | 火災保険会社 | WEB、電話連絡 | 特になし |
ペット関連手続き | 現市区町村役場・保健所 | 現市区町村役場、保健所窓口 | 旧鑑札、予防接種済書 |
冷蔵庫や洗濯機は、遅くとも引っ越しの1日から2日前までには電源を切っておきましょう。また、冷蔵庫は中を空っぽにし、掃除を済ませておくことをお勧めします。引っ越し当日に、掃除をする暇はないと考えていた方が良いでしょう。
それから、冷蔵庫も洗濯機も水抜きが必要です。やり方は、説明書に記載がありますので、こちらも引っ越しの前日までには済ませておきましょう。もしもやり方が分からない場合は、メーカーへ確認するか引っ越し業者へ相談しましょう。
引っ越しの1日から2日前になって、荷造りが半数以上終わっていない場合は、かなり猛スピードで作業を進めなければなりません。もしくは、自分で荷造りすることを諦めて、引っ越し業者に手伝ってもらうか、友人や知人、家族へ引っ越しの手伝いをお願いしましょう。
暖房器具や、灯油専用のポリタンクを引っ越し先へ持っていく場合、灯油を処理しなければなりません。自分で使い切ることができないならば、ご近所におすそ分けしたり、ガソリンスタンドで処分して貰いましょう。
貴重品、契約書関連、掃除用具以外のものは、すべて荷造りしてしまいます。また、布団に関しては、朝起きた時点ですぐに片付けることができるよう、梱包資材を分かりやすい場所へ用意しておきましょう。
尚、最後まで必要となる荷物は、新居で最初に必要となる荷物でもあります。すぐに新居で開梱することができるように、目印を付けておきましょう。
以上が、引っ越しの準備期間を1ヶ月間と想定した場合の、終わらせておくべき具体的な内容でした。必ずしも、上記の内容と同じようにスケジュールを組む必要はありません。しかし、引っ越しの準備に手間取ったり、何から手を付けて良いかが分からなくなった場合は、是非参考にしてください。
引っ越しの準備や手続きの段取りが明確になったところで、次は引っ越し業者を探すタイミングについて取り上げていきます。そもそも、引っ越し業者はいつから探し始めれば良いのでしょうか。
「ある程度荷造りしないと駄目?」、「早ければ早い方がいい?」など、様々な疑問があると思います。
一般的には、どのタイミングで見積もりを依頼しているケースが多いのでしょうか。まずは、以下の図をご覧ください。
これは、引っ越し業者を探し始めたタイミングを表した図です。一番多いのは、3週間以上2ヵ月未満であることが分かります。次に多いのは、1週間以上3週間未満です。このことからも、平均して3週間前ぐらいから、引っ越し業者を探しておいた方が良いといえるでしょう。
ただし、これはあくまでも一般的な意見であって、実際には早めに見積もりを依頼しておいた方が良いといえます。以下で、3つの理由をみていくことにしましょう。
各引っ越し業者は、必ずと言って良いほど早割を用意しています。特に閑散期は早めに見積もりを依頼することで、大幅な値引きが可能となるでしょう。
複数の引っ越し業者へ見積もりを依頼すると、「即決してくれたら、もっと安くできます!」などと、契約を迫られることがあります。そのような場合、時間に余裕があると冷静な判断ができるものです。
逆に引っ越し当日まで時間がないときは、気持ちにも余裕がないことから、即決してしまうケースが多いといえます。そんなときに限って、あとからもっと条件が良い業者が見つかったりするものです。比較検討する時間を確保するためにも、早めに見積もりを依頼しましょう。
引っ越しが集中するのは、「月末」、「土日祝日前後」、「午前中」と言われています。この3つのタイミングは、引っ越し費用が高くなるタイミングでもありますが、予約が殺到しやすいタイミングでもあるのです。
そのため、ギリギリになってから予約をすると、すでに空きがないことが多いと言えるでしょう。早めに見積もりを依頼すると、余程混雑していない限りは、希望に沿った形で予約をすることができます。
以上3つの理由からも、引っ越しが決まった段階で、見積もりの依頼は済ませておきたいものです。荷物の総容量が分からなくても、実際のところ問題はありません。引っ越し業者はプロですので、部屋の中の荷物を見渡すだけで、必要となるトラックやコンテナの大きさはある程度分かるからです。
とはいえ、あまりにも大雑把に荷物量を伝えてしまうと、当日になってから積みきれなくなる可能性があります。早い段階で処分する荷物だけでも決めてしまい、持っていく荷物を可能な限り正確に伝えるようにしましょう。
ちなみに閑散期であれば、引っ越し先の地域が決まった時点で、おおよその見積もりを出してもらうことはできます。ただし、繁忙期中の引っ越しであれば、転居先の住所が必ず必要となるため、先に転居先を決めなければなりません。その点だけ注意しましょう。
引っ越し業者をいつから探すべきかが分かったところで、次に荷造りを始めるタイミングについてみていくことにします。
「引っ越しの準備は何から手を付けた方が良い?」でも解説した通り、引っ越しで後悔したことの第1位は「丁寧に荷造りをしておけば良かった」、第2位は「荷物や荷物整理を早くやっておくべきだった」ということでした。
そして、第4位は「大切な家具や荷物が破損した」と、荷造りに関する話題が目立ちます。つまり、あとから後悔しないためにも、荷造りを始めるタイミングは、早いに越したことはないのです。とはいえ実際のところ、どのタイミングで荷造りを始めているケースが一番多いのでしょうか。
以下の図をご覧ください。この図は、引っ越しの荷造りを始めたタイミングの集計結果です。
最も多いのは、1週間前でした。次いで、2週間前となっています。ただし、上図は荷造りを始めたタイミングの平均値を表しているだけであって、引越しの荷造りはいつから始めるのがベストなのかを表しているわけではありません。
つまり、2週間前から荷造りをしても、引っ越しで後悔する結果に繋がりやすいということです。引っ越し当日から数えて1ヶ月前後、もしくは3週間前後になったら、他の引っ越し準備と並行して、荷造りを始めるようにしましょう。
どんなに引っ越しを経験している方でも、引っ越しの荷造りは毎回大変なものです。特に荷物の量が多かったり、家族の人数が多いと、荷造りに手間も時間もかかります。しかし、引っ越しの荷造りには、ちょっとしたコツがあるものです。
コツさえ掴めば、荷造りがスムーズになるだけではなく、新居での片付けも楽になります。また、引っ越し業者も作業しやすくなるため、引っ越し当日の作業時間短縮にもつながるでしょう。以下で、7つのコツをご紹介していくことにします。
優先順位としては、普段使用していない部屋、開かずの間となっている部屋や場所(物置、トランクルーム、クローゼットなど)、荷造りに時間がかかる場所や部屋から片付けていきます。
片付ける部屋や場所を限定しないと、荷造りが中途半端になって作業が進まなかったり、生活するスペースに困ることになりがちです。
そのため、必ず範囲を決めてしまいましょう。そうすることで、荷造りの進行具合が分かりやすくなりますし、なにより達成感を味わうこともできます。
毎日使うもの、たまに使うもの、ほとんど使わないものに分けることから始めましょう。その上で、たまに使うものと、ほとんど使わないものの中から、不用品をピックアップし処分していきます。
不用品の廃棄は、まとめて行った方が手間も時間も短縮できますので、片っ端から分別していくようにしましょう。
また、不用品の内容によって、処分方法や回収のタイミングは異なります。事前に処分するタイミングを決めておいた方が、不用品を処分する為に、何度も時間を割く必要がなくなるでしょう。尚、粗大ゴミや家電は、収集可能な日が限られています。スケジュールを組み、回収日に間に合うように荷造りを進めていきましょう。
荷造りをした際、ダンボールの正面に、中身と搬入先の部屋の名前を書くだけでは不十分です。側面にも中身と搬入先の部屋の名前を書きましょう。
なぜなら、ダンボールを積み上げたときに、正面だけだと文字が隠れて見えなくなるからです。引っ越し業者の作業員は、荷物の搬入時にどの部屋へ何を運ぶのかを確認をしながら作業します。
その際、ダンボールの側面にも中身と搬入先の部屋の名前が書かれてあると、荷物を搬入しながらダンボールの側面を見て搬入先の判断ができるため作業が捗ります。部屋の名前を書くことが手間であれば、部屋毎に色分けしたラベルシールを使用しても良いでしょう。ラベルシールは、ダンボールの側面に貼り付けることをお勧めします。
そうすることで、新居で片付けをする際も、ダンボールの側面を見ただけで、どこに何が入っているのかが一目瞭然となるため、荷物を探す手間も省けるでしょう。
家電製品の梱包は、引っ越し業者の作業員へお任せすることがほとんどです。しかし、家電製品だけではなく、大型の家具もお任せしてしまいましょう。自分で梱包作業をすると、傷をつけてしまったり、壊してしまう恐れがあるからです。
また、家具を組み立てる際に必要となる部品を紛失してしまうと、新居で組み立てることができません。家具の組み立て作業を引っ越し業者へ依頼すると、費用が発生してしまいますが、家具の買い替えをするくらいなら、作業を依頼した方が安く済むものです。
書籍などの重量があるものは、一番小さなダンボールを使用しましょう。その際、上限ぎりぎりまで詰めてしまうと、非常に重たくなってしまいます。持ち運びが大変ですし、片付けるときも荷物を移動させるだけで疲れてしまうでしょう。
また、引っ越し業者の作業員も、重たい荷物ばかりでは、搬出や搬入作業が辛くなってしまいます。そのため、重たい荷物は分散して荷造りするようにしましょう。
最近は、衣装ケースや収納ボックスを、そのままトラックやコンテナへ積むことができるようになりました。そのため、わざわざダンボールへ移し替えるのではなく、中身が入った状態で梱包してしまいましょう。
梱包といっても、荷物の中身を整理するだけで問題ありません。あとは当日になって、作業員が養生テープなどで蓋を止めるだけとなります。もしも、衣装ケースや収納ボックスの中身が透けて見えてしまう場合は、予め紙や布などで中の荷物を覆い隠すようにしましょう。
引っ越しの荷造りに慣れていないと、すぐに使うものをダンボールの中へ梱包してしまい、あとから荷物を探すことになりがちです。これでは、いつまで経っても荷造りが終わりません。
そのため、毎日使用するものは、一番最後に荷造りするようにしましょう。また、現金、通帳、キャッシュカード、商品券、株券、印鑑、金、銀、宝石、有価証券は補償の対象から外れています。自分で持ち運ぶか、場合によっては貴重品を専門の業者へ預けるようにしましょう。
万が一、引っ越し当日までに荷造りが終わらない場合、どうすれば良いのでしょうか。以下で、3つの対処法についてご紹介していきます。
1つ目の対処法は、緊急手段です。処分しても良いと割り切ったものは捨てるようにし、あとはダンボールへ詰め込んでいきます。新居で片付けをする際に手間がかかってしまいますが、大切なものはひとまず梱包することができるでしょう。
本来このような荷造り方法は避けたいところですが、荷造りが終わりそうにないときは仕方がありません。少しでも不要だと感じたものは処分し、急ピッチで荷造りを進めましょう。
引っ越し当日になっても、荷造りが完了しないケースは意外と多いものです。もしも、誰かに手伝ってもらわなければ、荷造りが終わらないのであれば、追加料金を支払って作業員に荷造りを手伝ってもらうか、引っ越しの日程を延期できないか相談してみましょう。
引っ越し当日にキャンセルをすると、キャンセル料が発生してしまいますが、2日前であればキャンセル料は掛りません。ただし、繁忙期の場合だと、次の予約ができない可能性があります。あくまでも、最終手段として考えておきましょう。
荷物の量によっては、引っ越し業者へ追加料金を支払うよりも、宅急便を利用した方が安く済む場合があります。費用をできるだけ抑えたいときは、引っ越し業者と宅配業者の両方へ料金の確認をしておきましょう。
もしも宅急便を利用するのであれば、荷物の分別などはせずに、そのままダンボールへ詰め込んでしまえば問題ありません。ただし、荷物の重さや大きさ、各宅配業者ごとによって送料は異なります。問い合わせをして、送料の目安を教えて貰いましょう。
引っ越しの準備を始めるのが遅くなると、引っ越し当日までに荷造りが間に合わないだけではなく、思わぬトラブルを招いてしまいます。そうなると、転居先での新生活を気持ち良く迎えることができません。
また、荷物の紛失や破損、引っ越し業者とのトラブルは、引っ越しの準備期間が短すぎるときに起こりがちです。「まだ時間は十分ある!」などと考えずに、早めの行動を心掛けましょう。