新居が新築一戸建ての引越しでは、様々な準備が必要となります。賃貸アパートやマンションとは異なり、スケジュール化しておくことがポイントです。
そこで今回は、新築一戸建ての引越し準備や気を付けておきたいポイントについて取り上げていくことにします。他にも、ご近所への挨拶マナー、スムーズに引越しの手続きを行うためのコツについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
新居が新築戸建ての場合、まずやっておきたい引越しの準備は『不要品の選別』と『粗大ゴミの処分』です。新居へ運んでから処分することも可能ですが、余計な手間と費用が掛ってしまいます。
また、新居室内の収納スペースによっては、タンスなどの大型家具が不要となるものです。タンスが1つ減るだけでも、引っ越し費用を抑えることに繋がりますので、できるだけ早めに処分をしておきましょう。
新築の引越しでやることとして抑えておきたいもう1つは、インターネット回線工事です。新居の戸建ての場合、必ずインターネットの回線工事が必要です。特に繁忙期時期は、回線工事のスケジュールがすぐに埋まりがちとなるため、早めに工事予約をしておきましょう。
工事の内容によっては、壁に穴を開けるなど特殊な工事が必要となったり、開通までに時間が掛ることもあるものです。入居してすぐにインターネットを利用したいのであれば、早めに対応をしておきましょう。
インターネット回線工事以外では、エアコン工事、TVアンテナ工事などがあります。こちらも、できるだけ早めに対応しておきたいものです。
それでは次に、新築戸建ての引越し準備を行う上で、気を付けておきたい3つのことについて触れていきます。以下にまとめましたので、参考にしてください。
新築引っ越し準備の中でも、手間と時間が掛りがちなのは『粗大ゴミの処分』です。自治体のサービスを利用して処分するか、引越し業者へ依頼するか、自分で専門業者へ依頼するか対応が分かれます。
一番費用が安価なのは、自治体のサービスを利用する方法ですが、自治体のスケジュールに合わせる必要があるものです。都合が合わない場合、粗大ゴミの処分がスムーズにいかないことがあります。
次に安いのは引越し業者へ依頼する方法ですが、その場合は不要品処分だけに限らず、不要品買取りにも力を入れている業者へ依頼しましょう。買取りが上手くと、引っ越し費用を割引して貰えるため、トータルの引越し費用が安くなるはずです。
ちなみに、専門業者へ依頼する方法は、最も高くついてしまいます。余程のことが無い限り、利用は控えることをお勧めします。
戸建の新築引越しは、荷物の量が大変多くなりがちです。引越し後に荷解きをするのに時間がかかるため、各種工事は入居前に済ませておきましょう。
尚、間違っても引越し日と工事日を同じ日にすることは避けたいものです。引越しの搬入作業に支障をきたすだけではなく、場合によっては工事が長引く可能性があります。1日も早く入居したい気持ちは抑えて、先に工事を終えるようにしましょう。
買い替える家具や家電は、すべて新居へ届けてもらうようにしましょう。その際、到着日時をまとめておくことがポイントです。バラバラに届いてしまうと、到着日に合わせて自宅にいなければならず、引越し後の片付けや手続きなどがスムーズに行かなくなります。
戸建ての新築引越しは、スケジュールを立てておくことをお勧めします。今回は、『新築引越しやることリスト』をご紹介していくことにしましょう。予め一目で分かるようにしておけば、重要な手続きを忘れる心配がありません。ぜひ参考にしてください。
やっておきたいこと | 詳細 |
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不用品選別・整理 |
不要なものを選別し、荷造りがしやすいように荷物を整理します。 |
現住居の解約申告 |
不動産管理会社・大家さんに退去申告をします。 |
引越し日決定と引越し業者選定 |
引越し日を決定し、依頼する引越し業者を決定します。 繁忙期に引越しをする際は、最低1ヵ月以上前には決めておきましょう。 |
新居の下見 |
新居の下見をしておきます。 特に収納スペースのサイズ、カーテンのサイズ、大型家具、家電の設置スペースは計測を済ませておきましょう。 |
新しく用意するもののリスト作成 |
新居で新しく使用するものをリスト化しておきます。 |
仮住まいの手配 ※必要に応じて |
賃貸退去日と新居の入居日の都合がどうして合わない場合、仮住まいを手配しておきます。 |
転校手続き |
お子さんがいる場合は、転校手続きの準備を開始します。 |
各種工事依頼 ※手続き変更も含む |
エアコン、TVアンテナ関連の工事を依頼します。 必要に応じて住所変更手続きも済ませましょう。 ハウスメーカー側でもなんらかの工事が必要な場合は、日程を調整してください。 |
インターネット 新規契約(契約変更) |
入居後すぐに利用できるよう、インターネットの新規契約・契約変更を行います。 |
固定電話移転 開設手続き |
固定電話の移転、新規開設手続きを行います。 |
やっておきたいこと | 詳細 |
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転居手続き |
他の市区町村へ転居する場合、旧居の住所を管轄している市区町村役場にて転出手続きを行います。 引越し日14日前から手続き可能です。 |
新居のレイアウト図作成 |
引越し業者へ渡すために、新居のレイアウト図を作成します。 荷物搬入時に役立ちます。 |
荷造り |
本格的に荷物の荷造りを始めます。 |
国民健康保険資格 廃止手続き |
国民健康保険に加入している場合、旧居の住所を管轄している市区町村役場にて手続きが必要です。 身分証明書、保険証、印鑑を持参します。 |
印鑑証明廃止手続き |
印鑑証明書、登録印を持参して、旧住所地の市区町村役場で手続きをします。 同じ市区町村へ引越しをする場合、不要なケースもあります。 |
原付自転車(125cc以下)廃車手続き |
ナンバープレート、標識交付証明書、印鑑を持参して、登録している市区町村役場で手続きをします。 場合によっては、別途書類が必要となるケースもあります。 |
福祉関連手続き |
児童手当など、必要に応じて福祉関連の手続きを済ませておきます。 |
ライフライン解約 新規契約手続き |
ガス、水道、電気の解約、移転手続きを行います。 |
不用品処分 ※自分で処分する場合 |
自治体が行っている不用品処分サービスを利用する場合、早めに処分をしておきます。 |
郵便物転送手続き |
郵便局窓口、インターネット、転居届はがきのいずれかで郵便物転送手続きを行います。 |
転居はがきの用意 |
遠方の知り合いや友人に送るための、転居はがきを用意しておきます。 |
やっておきたいこと | 詳細 |
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当日使う物以外の身の回り品梱包 |
貴重品や、引越し当日使用する物以外は梱包してしまいましょう。 |
引越し挨拶用の手土産購入 |
引越しの挨拶回りで使用する、手土産用のお菓子などを用意しておきます。 |
ご近所への挨拶 |
旧居のご近所へ挨拶をする場合、前日までには済ませておきましょう。 |
パソコンデータバックアップ |
パソコンのデータバックアップは、意外と時間がかかります。 丸1日掛かることもあるため、早めに済ませておきましょう。 |
新居の掃除 |
荷物を搬入してしまうと、掃除が捗りません。 そのため、早めに掃除を済ませておきましょう。 |
洗濯機の水抜き ※新居でも利用する場合のみ |
新居でも同じ洗濯機を使用する場合、水抜きを済ませておきましょう。 |
ゴミ出し |
日常のゴミは、前日までのタイミングですべて処分することをお勧めします。 |
やっておきたいこと | 詳細 |
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旧居の清掃と引き渡し | 不動産管理会社の立ち合いが必要です。 場合によっては、ガス会社の閉栓も行います。 |
転入・転居手続き | 新住所地を管轄している市区町村役場にて、転入、転居手続きを行います。 引越しから14日以内までに行いましょう。 他の市区町村から転入した場合は、転出証明書が必須です。 ※不要なケースもありますが、念のため印鑑を持参しましょう。 |
印鑑登録証、国民健康保険・年金手続き | 国民健康保険、年金の手続きは、必要に応じて行いましょう。(転入から14日以内) 印鑑登録の手続きには、身分証明書、印鑑が必要です。 印鑑登録証の手続き期限は特に決まっていません。 |
犬の登録手続き | 同市区町村への引越し、他の市区町村への引越しいずれの場合も住所変更が必要です。 自治体によって若干手続き方法が異なるため、引越し後30日以内までに手続きを行いましょう。 登録事項変更届、旧住所地での鑑札、注射済票(注射済みの場合のみ)が必要です。 |
免許証の住所変更 | 警察署、運転免許試験場で手続きを行います。 免許証、印鑑、身分証明書、住民票が必要です。 |
バイク登録変更手続き | バイクを所有している場合は、役所もしくは陸運支局で手続きを行います。 (住所変更後15日以内) |
各種住所変更の手続き | クレジットカード、銀行口座などの住所変更を行います。 |
車庫証明申請 | 陸運支局で手続きを行います。 自動車の登録変更も同時に行いましょう。 |
転校の手続き | 在学証明書、転入願を用意し、市区町村役場か転校先の学校で手続きを行います。 |
ご近所への引越し挨拶 | 手土産を持ってご近所へ挨拶に行きます。 |
荷解き、室内整理整頓 | 荷解き、室内の整理整頓を行います。 不要となった段ボールは、引越し業者が回収してくれるケースもあるため、事前に確認をしておきましょう。 |
パスポート住所変更 | パスポートの住所変更は、自分で直接新住所を書き込むだけです。 変更手続きは必要ありません。 |
新築への引越し手続きについて分かったところで、次にやっておいた方が安心できる3つのポイントをご紹介していきます。
床ワックスは、意外と多くの人が忘れがちなことです。荷物を搬入してから行うと、その都度家具をずらす必要があるため、大変な労力が掛ります。最低でも2回に分けてワックスがけをすると、綺麗な状態で荷物を搬入することが可能です。
また、使用するワックスは、耐久性が高いものを選びましょう。ホームセンターで購入できますので、いくつか商品を比較してみることをお勧めします。また、和室がある場合は、ダニ防虫シートを敷き込んでおくと気持ち良く過ごすことが出来るはずです。
大型の家具は、転倒防止の金具を取り付けましょう。引越し業者によっては、オプションサービスで取り付けを行ってくれることがあります。ホームセンターで専用の金具が販売されているため、必要個数を用意しておきましょう。
新築だからといって、絶対に欠陥が無いとは言い切れません。そのため、荷物を搬入する前に第三者機関へ住宅検査を依頼しましょう。相場としては、大体5万円前後で依頼することができます。
また、荷物を搬入した際に、傷やへこみが出来てしまうと、後からトラブルにまで発展することが少なくありません。ドア回りや壁・床などは、予め写真撮影しておくことをお勧めします。
引越し後の手続きをスムーズに行うためには、以下の3つのコツがあります。前項でご紹介した『新築引越し準備リスト』と照らし合わせながら、参考にしてください。
役所関連の手続きは、1日で済ませてしまいましょう。何度も役所へ足を運ぶことになると、時間が掛るだけではなく日数も掛ってしまいます。
また、市区町村役場ごとで、混み合う曜日が異なります。週明けの月曜日や週末の金曜日、月初・月末は混雑しやすいため避けた方が無難です。手続きで必須となる書類は、市区町村ごとでほぼ同じではありますが、稀に印鑑が必須だったりと対応が異なります。
そのため、事前に市区町村役場の公式ホームページから確認をしておくと、手続き漏れを防ぐことができて大変便利です。
手続きで必要となる書類は、早めに揃えておきましょう。たとえば、住所変更が必要となる免許証は、住民票を持参する必要があります。他にも、お子さんがいるご家庭であれば、転校手続き関連の書類を、転居先の教育委員会へ提出しなければなりません。
引越しの荷造りや、新居の工事の進捗状況を確認しつつ、前項でご紹介したチェックリスを見ながら必要書類を書き出して揃えてしまいましょう。
クレジットカード、銀行口座、NHK、郵便局など、一部のサービスの住所変更は、インターネット上から手続きを行うことが可能です。また、電気、水道に関しても、最近はインターネット上から解約手続きや新規契約が可能となってきました。
わざわざ時間を作って、各窓口へ出掛ける手間が省けるため、インターネットで完結できる手続きはまとめて行っておきましょう。遅くとも、引越日の1週間以上前には手続きを終えておきたいものです。
新築の引越し挨拶は、多くの人が挨拶の範囲に悩むようです。一般的な判断としては、『両隣と向こう三軒』となっています。ただし、人口が少ない地域では、町内会長さんや班長さんにも挨拶をするケースがあるようです。
判断に悩んだ際は、町内会長さんの自宅へ挨拶に行った際、挨拶すべきお宅の情報を確認しましょう。尚、挨拶へ伺う際は、夫婦揃って行くことがベストです。警戒心の強い方が住んでいるお宅の場合、旦那さん一人で挨拶へ行くと、玄関先まで出てきてもらえないことがあります。
また、お子さんがいる場合は、お子さんも一緒に挨拶回りをしましょう。同年齢のお子さんがいるお宅が分かれば、より早く学校生活に慣れることができるからです。
新築一戸建てへ引越しをすると、隣近所とはこれから長い付き合いになります。だからこそ、最初の挨拶がとても重要です。しっかりと挨拶をしておけば、余計な人間関係トラブルを防ぐことができます。
ちなみに、引っ越しの前後は引越祝いを貰う機会が増えるものです。お返しをする方法もありますが、多くの場合、新居へ招待して食事をするだけで十分だったりします。特に御馳走を用意する必要はありません。
それでは最後に、新築一戸建ての引越し後にかかる費用についてみていくことにします。いくつかある中で、見落としがちな費用を3つピックアップしてみました。参考にしてください。
引越先によっては、自治会費、公民館費などが必要となります。挨拶回りのときに、町内会長さんから教えてもらうケースが多いようです。金額は地域ごとで様々ですので、毎月支払うものなのか、年に1度で良いのかも含めて、詳細を確認しましょう。
新築一戸建てを購入すると、必ず不動産取得税が発生します。不動産取得税とは、都道府県が課税する地方税です。新居を購入してから、約半年から1年以内に『納税通知書』が郵送されます。
新築する際、依頼するハウスメーカーへ相談しておくと、より詳しく教えてもらうことが可能です。早めに相談しておきましょう。不動産取得税の計算方法は以下の通りとなります。
固定資産税評価額 × 4%
尚、宅地の課税標準には特例が設けられています。こちらの計算式は以下の通りとなっています。
固定資産税評価額 × 1/2
更にいうと、不動産取得税は、一定の要件を満たすことで税額を軽減することが可能です。平成28年度現在、定められている要件は以下の表の通りとなります。
税額計算式 | 不動産取得税 = (固定資産税 - 1,200万円) × 3% |
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軽減される要件 | ①居住用の住宅全般に適用される ②課税延床面積50㎡以上240㎡以下 |
税額計算式 | 不動産取得税 = (固定資産税評価額 × 1/2 × ×) - 控除額 ※控除額は、以下の2つのうち金額が高い方で計算する ・45,000円 ・土地1㎡あたりの固定資税評価額 × 1/2 (課税床面積 × 2(200㎡限度)) × 3% |
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軽減される要件 | ①『土地に対する税額軽減』でご紹介した軽減される要件を満たしている ②不動産取得から3年以内(平成30年3月31日まで特例)に建物を新築している ※土地先行取得の場合 ③土地を取得するのではなく、借りるなどして住宅を新築しており、新築1年以内にその土地を取得する ※建物建築先の場合 |
補足ですが、長期優良住宅の建物であると認定された場合、更に減額をすることが可能です。その場合、平成30年3月31日までに新築されており、そこから5年間税額が1/2まで減額されます。
長期優良住宅とは、耐震性、耐久性、省エネ、居住環境、維持管理などの要件を満たしている住宅のことです。平成21年に施行された『長期優良住宅の普及の促進に関する法律』で詳しく定められています。
固定資産税とは、土地・建物所有後、所在地にあたる市区町村が課税する地方税です。3年周期で固定資産税は見直されていますが、その評価額を基に計算する仕組みです。土地と建物を両方購入した場合、以下の計算式で計算します。
土地価格 × 1/6 = 課税対象の評価額
建物価格 × 1/2 = 課税対象の評価額
尚、固定資産税の税率は1.4%となっています。たとえば、土地建物の課税対象額が1,000万円だったとしましょう。すると、概算金額は以下のとおりです。
1,000万円 × 1.4% = 14万円
ただし、新築で戸建てを購入した場合、3年間は1/2の減額で支払うことになります。長期優良住宅であれば、減額対象期間は5年間です。その他にも、固定資産税の減額対象となる要件はいくつかあるため、早いタイミングで詳細確認をしておきましょう。
今回は、新築戸建ての引っ越し準備について詳しく解説しました。新生活を始めるにあたって、賃貸住宅への引越しとは若干異なる準備が必要だといえそうです。特に不要品の処分は、早い段階で行っておきましょう。
新居へゴキブリを持ち込みたくない方は、できるだけ家具や家電を処分しておいた方が安心です。また、引っ越し費用を抑えたいとはいえ、引越し業者へ作業を依頼する際は、『補償の充実度』を重要視しましょう。
補償内容が充実していれば、万が一家財道具が破損したり、床や壁が傷ついた場合でも、しっかりと補償してもらうことができます。