引越しの費用を抑えるためには、いくつかのコツがあります。中でも引越しの日取りは、引っ越し費用を安くする上で重要な要素だといっても過言ではありません。
そこで今回は、平日・土日の引越し料金に焦点を当てながら、できる限り費用を抑えるための方法について、詳しくご紹介していきます。
一般的には、『平日よりも土日に引越しをする人が多い』という認識を持っている方が多いようです。引越し業界では、予約が殺到しやすい日の料金が高騰する傾向にあるため、『仕事の休みが集中しやすい、土日の引越し料金は高い』というイメージが出来上ったのかもしれません。
ネット上などで公開されている情報を見ても、土日は料金が高くなりやすく、平日は料金が安い傾向にあるという内容が散見されます。しかし、引越しの費用は、平日の方が安いと言い切って良いものなのでしょうか。
以下の図をご覧ください。この図は、『平日と土日祝日のどちらで引越しを行ったか』というアンケートを行った際の結果です。
ご覧の通り、明らかに平日に引越しをした人の方が多いことが分かります。必ずしも土日祝日に引越しが集中しているわけではないのです。
冒頭にて、『予約が殺到しやすい日の料金が高騰する傾向にある』とお話しました。このグラフをもとに考えると、『必ずしも平日が安く、土日祝日が高いとは言い切れない』ということが言えそうです。
別の言い方をすると、引越しの土日の料金は、平日と土日のみで判断するのは危険だということです。
それでは次の項で、引っ越しを土日と平日に行った際の、料金差について見ていくことにしましょう。
引越し料金は、国土交通省が制定している『標準引越運送約款』をもとに決められています。トラックのサイズ、距離、時間、作業員人数、オプションサービス料金によって、算出されているのです。
上限・下限の金額の10%前後の幅で、自由に価格設定できる仕組みとなっているため、引越し業者毎で料金は異なります。つまり、引越しの料金は『土日、平日』だけで決まるものではないのです。
このような現状を踏まえた上で、引っ越し料金が土日と平日でどの程度異なるのか見ていくことにしましょう。実際に料金を提示できれば良かったのですが、信憑性の高いデータが見当たりませんでした。
そのため、日通、アート引越センター、サカイ引越センターが提供していた情報をご紹介します。大手引越業者のホームページでは、必ずといって良いほど『よくあるご質問』のページが設けているものです。
日通、アート引越センター、サカイ引越センターの公式ホームページ上で公開されていた情報は、以下の通りとなります。
・需要の多い少ないにより料金が左右される
・地域によっても料金は異なる
・『金・土・日・祝』、『月末・月初』、『3月下旬・4月上旬』は割引率が低い
・特に3月下旬は需要が高いため高騰しやすい
・期間限定キャンペーン、割引サービスを活用すると安くなることがある
・料金は同じ。ただし、割引・値引きの幅が異なる。
・金、土、日、祝日、大安などは予約が多いため割引しづらい
・平日の引越がおすすめ
・2月や4月は繁忙期のため割引しづらい
以上が、日通、アート引越センター、サカイ引越センターで公開している情報の詳細でした。この内容から分かることは、次の通りです。
あくまでも、今回は3社の傾向をピックアップしているため、この情報がすべての引越し業者に当てはまるわけではありません。とはいえ、『引越し業者は平日の方が安くなりやすい』ということは事実であるようです。
引越しは土日の方が高くなりやすく、平日の方が安い傾向にあることが分かりました。今度は、『平日に引越しをするメリット』について見ていくことにしましょう。安さ以外にも、以下の3つのメリットがあるといえます。
需要が多い時期は、1名から2名のベテラン作業員を責任者として現場に派遣しています。その他の作業員は、繁忙期要員として集められたアルバイトです。
一方、需要が少ない時期は、ベテラン作業員のみでチームを作り、現場へ派遣する傾向にあります。
いうまでもなく、ベテラン作業員は引っ越し作業に慣れているため、おのずとサービス品質は高まるのです。
引越し業者が行っている割引キャンペーンは、需要が少ない時期に集中するケースが目立ちます。中でも平日限定で行われているキャンペーンの種類は多く、割引率が高いようです。
たとえば、アーク引越センターの場合、公式ホームページ上で『引っ越しお得日カレンダー』を公開していますが、割引率が高い日はほぼ平日です。
また、サカイ引越センターも、公式ホームページ上で『お得な引越カレンダー』を公開していますが、割引となるのは平日のみでした。
土日祝日でも、割引をして貰えることはありますが、平日の割引率には敵わないと考えていた方が良いかもしれません。
内容としては、ベテラン作業員が派遣されやすいということと似ていますが、平日はトラブルが少ない傾向にあります。なぜなら、ベテラン作業員が複数名派遣される可能性が高いからです。
ベテラン作業員は、あらゆる現場に慣れていることから、作業やサービスの質がおのずと高くなります。その結果、荷物の破損などのトラブルが少ないのです。引越しを依頼する側としては、安心してお任せできるといっても過言ではありません。
引っ越し費用が安くなる曜日は、何曜日なのでしょうか。引越しの日を土日にすると高い傾向にあることは分かりましたが、安い曜日はいつなのか気になるものです。
安い曜日が分かれば、賢く引越しをすることができますので、以下で詳しくご紹介していくことにしましょう。まずは、次の図をご覧ください。こちらは、アーク引越センターの『引っ越しお得日カレンダー2016年度版』です。
アーク引越センターでは、引越し料金が10~30%割引となるキャンペーンを行っています。あくまでも一例ではありますが、土日以外のどの曜日が安くなる傾向にあるのか見ていくことにしましょう。
尚、最大の割引率である、30%OFFのタイミングのみピックアップしています。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
月 | 0回 |
1回 |
0回 |
0回 |
2回 |
1回 |
0回 |
1回 |
1回 |
0回 |
1回 |
1回 |
8回 |
火 | 2回 |
1回 |
1回 |
1回 |
0回 |
1回 |
1回 |
0回 |
2回 |
1回 |
1回 |
1回 |
12回 |
水 | 2回 |
2回 |
1回 |
0回 |
1回 |
2回 |
2回 |
1回 |
2回 |
1回 |
1回 |
0回 |
15回 |
木 | 1回 |
0回 |
0回 |
0回 |
1回 |
1回 |
1回 |
1回 |
1回 |
1回 |
1回 |
1回 |
9回 |
金 | 1回 |
0回 |
1回 |
0回 |
1回 |
1回 |
1回 |
2回 |
1回 |
1回 |
2回 |
2回 |
13回 |
言うまでもなく、年間を通して『水曜日』が最も安くなりやすいといえます。ネット上で出回っている一部の情報によると、月曜日と金曜日はあまり安くないとありますが、そのようなことはないといえそうです。
特に金曜日については、8月、11月、12月を狙うと、土日に片付けができることもあって、スムーズに引越しができるかもしれません。
結論からいいますと、午前よりも午後の方が引越し料金は安くなります。なぜなら、午前中に新居へ家財道具を運搬し、午後からはゆっくりと荷解きしたい人が多いからです。
何度もお伝えしている通り、需要が高いタイミングは引越し料金が高くなります。そのため、午前よりも午後の方が高くなる傾向にあるのです。
ちなみに、早朝や深夜帯の引越し料金は、割増料金が適応されます。午後の時間帯でも、夕方の17時や18時以降の引っ越しは高くなるケースが目立つため、事前に確認しておきましょう。
それでは最後に、日別で見る引越し料金の違いについて見ていくことにします。日本には『六曜』という風習がありますが、『六曜』を気にして引越しをする人は、結婚や出産を控えている人、マイホームを購入した人に限られるといえそうです。
ようするに『縁起を担ぎたい人』が、『六曜』の中で最も縁起が良いとされている『大安』に引越しをする傾向にあるのです。
そのため、引っ越し業者、引っ越しのタイミングによっては、たまたま『大安』の日に予約が殺到して、料金が高騰する可能性はあるといえます。
ただし、年間を通して、必ずしも『大安』の日に予約が殺到するとは限りません。そのため、『六曜』はあまり気にしなくて良いといえそうです。
ちなみに、日別という観点から引越し料金を見た際、気にしておきたいタイミングは、『月の上旬、下旬』となります。不動産賃貸契約の多くは、月末解約となっているため、毎月上旬と下旬は引越しの需要がおのずと高まるものです。
そのため、『毎月1日から10日前後』、『20日前後から月末』にあたる日は、引っ越しを避けた方が安く済むといえます。