長距離の引越しは、工夫次第で費用を抑えることが可能です。これは、単身・家族の長距離引越しどちらも該当します。
そこで今回は、料金相場、注意点、長距離引越しを扱っている引越し業者の特徴など、解説していくことにしましょう。
引越しする先が長距離となる場合、料金は『引越し時期』、『移動距離』で大きく変わってきます。以下にまとめましたので、参考にして下さい。
~100km未満 | ~200km未満 | ~500km未満 | 500km~ | |
---|---|---|---|---|
閑散期(5月~2月) | 平均40,000円 |
平均42,061円 |
平均55,148円 |
平均63,176円 |
繁忙期(3月~4月) | 平均36,000円 |
平均49,232円 |
平均53,233円 |
平均70,207円 |
~100km未満 | ~200km未満 | ~500km未満 | 500km~ | |
---|---|---|---|---|
閑散期(5月~2月) | 平均49,000円 |
平均75,451円 |
平均113,012円 |
平均150,941円 |
繁忙期(3月~4月) | 平均94,000円 |
平均109,595円 |
平均145,959円 |
平均180,547円 |
~100km未満 | ~200km未満 | ~500km未満 | 500km~ | |
---|---|---|---|---|
閑散期(5月~2月) | 平均78,000円 |
平均95,617円 |
平均136,497円 |
平均176,658円 |
繁忙期(3月~4月) | 平均134,000円 |
平均148,619円 |
平均181,507円 |
平均252,742円 |
引越し先が長距離となった場合の相場料金が分かったところで、引越しで長距離を移動する際に利用するプランについて見ていくことにします。長距離引越し時に利用することになるプランは、大きく分けると3パターンです。
『混載便』、『チャーター便』、『コンテナ便』となります。まずは『混載便の概要』、『メリット・デメリット』をまとめてみました。参考にしてください。
混載便とは、トラックの空いているスペースを活用して、同一方向へ向かう別の顧客の荷物も一緒に運ぶサービスです。引越し業者によっては、2・3や5・3など荷物量に制限を設けていることがあります。
それでは次に、『チャーター便』の概要と『メリット・デメリット』を見ていくことにしましょう。
『チャーター便』とは、ドライバーとトラックのみを貸し切るサービスのことです。しかし、ここでいう『チャーター便』は、『1つのトラックに1世帯分の家財道具しか積まない便』ことを指しています。
近距離引越しは、ほとんどが『チャーター便』と考えていて問題ありません。荷物を積んだあと、そのまま引越し先まで直行します。長距離引越しで『チャーター便』を利用する場合、引越し費用は高くつくことがほとんどです。
最後に『コンテナ便』の概要、『メリット・デメリット』について見ていくことにします。
一言でいうと、貨物列車を利用した引越し方法のことを指しています。引越しは、トラックだけで行うものではありません。飛行機、列車、船で家財道具を輸送することもあります。その中でも『コンテナ便』は、列車を活用した引越し手段です。
ほとんどの場合、『トラックと貨物列車』の両方を用いて引越しを行います。尚、引越しの荷物はコンテナに積んで輸送するのが一般的です。
引越し業者によっては、トラックに積んだ家財道具をコンテナに積み替えて輸送することもあります。
しかし、大変な手間と労力がかかることから、旧居から搬出した家財道具を2tコンテナや5tコンテナにそのまま詰め込み、トラックと貨物列車を使って新居まで輸送するケースが大半です。
引越し業者によって対応は分かれますが、『混載便』や『コンテナ便』はすべての引越し業者で扱っているわけではありません。ある程度、規模が大きな引越し業者が扱っています。
『コンテナ便』であれば、中小規模の引越し業者でも扱っていますが、『混載便』は複数の顧客から依頼がないと輸送できないサービスです。
そのため、『混載便』に関しては、大手引越し業者のような顧客数が多い業者が中心となってサービスを提供しています。
このような背景を踏まえた上で、今回は大手引越業者6社の長距離引越しプランをご紹介していきましょう。
サービス名称:家具家電レンタル×単身引越サービス
サービス名称:単身引越サービス・単身引越サービス(miniタイプ)
引越し費用を相場より抑えたい、長距離引越し向けの単身サービスです。専用ボックスの中に家財道具を詰めて、新居まで運搬します。専用ボックスのサイズは以下の通りです。
単身引越サービス 1.04m×1.04m×1.70m=1.83・3
単身引越サービス(miniタイプ) 1.04m×1.04m×1.30m=1.40・3
サービス名称:単身引越ジャストサービス
全家財道具の量×輸送距離で料金が決まってきます。料金は、2・3単位であるため無駄がありません。また、引越先が600km圏内であれば、翌日配送が可能です。
サービス名称:引越らくらくタイムリーサービス
基本サービスは必要最低限の内容となっており、オプショナルサービスを自由に組み合わせることができます。予算に合わせた長距離引越しが可能です。また、すぐに利用する一部の家財道具を先に輸送する、分割配送も可能となっています。
アート引越センターの公式ホームページを確認したところ、『単身引越し』、『家族の引越し』共に、長距離専用のサービスは大々的に提供していない様子でした。
ただし、『引越に関するご質問』ページで長距離引越しの流れについて案内があります。
回答内容の要点は、以下の3点でした。参考にしてください。
尚、アート引越しセンターでは、『単身引越し』、『家族の引越し』共に3タイプのサービスを提供しています。以下にまとめましたので、こちらも併せて参考にしてください。
サービス名称:引越らくらくタイムリーサービス
日時に余裕があり、荷造りや荷解きは自分で行いたい方向けのサービスです。
サービス名称:引越らくらくタイムリーサービス
引越し前の荷造りも手伝ってもらいたい方向けのサービスです。尚、荷解きは自ら行うことになります。
サービス名称:引越らくらくタイムリーサービス
荷造りや荷解きを含めた、すべての引越し作業を依頼したい方向けのサービスです。
サービス名称: ミニ引越し長距離プラン
1Rから1LDKのお住まいの単身者で、荷物量が少ない長距離引越しを予定している方向けの引越しサービスです。荷造りや荷解きは自ら行います。
サービス名称: 荷物多め単身プラン
1Rから1LDKのお住まいの単身者で、荷物量が多い方向けのサービスです。荷造りや荷解きは自ら行います。
サービス名称: すべてお任せフルフルプラン
荷造り、荷解きを含めたすべての作業を依頼することができます。
サービス名称: 長距離プラン(おふたりの引越しプラン)
2DKから2LDK程度の家財量で、比較的離れた場所へ引越しをする方向けのサービスです。尚、荷造りや荷解きは自分で行います。
サービス名称: すべてお任せフルフルプラン(おふたりの引越しプラン)
荷造り、荷解きを含めたすべての作業を依頼することができます。
サービス名称: 節約プラン(家族の引越しプラン)
引越し費用を節約したい家族向けのサービスです。荷造り、荷解きは自ら行います。
サービス名称: 通常プラン(家族の引越しプラン)
荷造りはアーク引越センターへ依頼し、荷解きは自ら行うサービスです。
サービス名称: すべてお任せフルフルプラン(家族の引越しプラン)
アリさんマークの引越社では、『単身引越し』、『家族の引越し』共通で長距離引越しサービスを提供しています。詳細は以下の通りとなりますので、参考にしてください。
サービス名称: 長距離引越プラン01長距離スペシャル便(オール自社便)
旧居から新居まで、すべてアリさんマークの引越社が輸送してくれる『完全チャーター便』のサービスです。自由度が最も高い長距離引越しサービスとなっています。
サービス名称:長距離引越プラン02長距離エコ便(一部JRコンテナ便)
旧居から貨物駅間、貨物駅から新居間はトラックで輸送します。引越し業界では珍しい長距離引越しサービスです。新居の最寄り貨物駅から新居までの輸送、引っ越し作業は協力会社が行うこともあります。
サービス名称:長距離引越プラン03長距離エコリーズナブルパック(オールJRコンテナ便)
旧居から家財道具を搬出する際、そのままJRコンテナへ積んで輸送するサービスです。尚、引越しの作業は、アリさんマークの引越社の作業員がすべて担当します。
サービス名称: 単身パックS・L
比較的荷物量が少ない、単身長距離向けサービスです。2パターン用意された専用ボックスに入れて輸送します。ボックスのサイズは以下の通りです。
単身パックS 横幅108cm×奥行74cm×高さ155cm
単身パックL 横幅108cm×奥行104cm×高さ175cm
サービス名称: 単身パックX
荷物量が多めの単身長距離引越しサービスです。鉄道コンテナに入れて運搬します。150km以上離れた地域へ引越しをする方専用です。引越し先の地域にもよりますが、荷物のお届けは最短翌日以降となっています。
最安値は、京都府⇔愛知県の51,000円、最高値は、北海道⇔福岡県の98,500円です。コンテナのサイズに関する案内はありませんでしたので、事前に問い合わせて確認をしてください。
日本通運の家族の引越しは、単身引越しのように長距離プランが用意されているわけではありませんでした。また、引越し相場についても、家族の長距離引越しページでは詳しく案内されていません。
大きく分けると3つのプランが紹介されていましたので、概要をご紹介します。
サービス名称:セルフプラン
荷造りや荷解きは自分で行う格安プランです。自分のペースで荷造りや荷解きを行いたい方や、極力費用を掛けずに引越しをしたい方に最適なサービスとなっています。
サービス名称:ハーフプラン
引越しの準備期間が限られていたり、多忙な方に適したプランです。荷造りを手伝ってもらうことができます。ただし、荷解きは自分で行う必要があるため注意しましょう。
サービス名称:フルプラン
荷造りや荷解きもすべてお任せできるプランです。引越しの準備や片付けに時間を割くことが難しい方、引越しの荷造りや片付け方法が分からない方、小さなお子さんやご年配の方がいるご家族などに適しています。
サービス名称:ご一緒便コース
荷物の到着日を指定せず、混載便で輸送するサービスです。単身引越しの長距離相場の中では、最も安価なサービスとなっています。営業所ごとで予定トラック数が決まっているため、早めの契約が必要です。
サカイ引越センターでは、家族の引越し向けの長距離プランは提供していない様子でした。そのため、通常のプランの中から選ぶことになりそうです。以下で簡単に概要をご紹介します。
サービス名称:らくらくコースプレミアム
ダスキンとコラボレーションした引越しサービスです。すべての引越し作業をお任せできるだけではなく、新居の掃除まで依頼することができます。
サービス名称:らくらくAコース
すべての引越し作業を依頼することができます。『らくらくコースプレミアム』とは異なり、ダスキンの掃除サービスは付いていません。
サービス名称:らくらくBコース
荷造りのみ、サカイ引越センターへ依頼することが可能です。荷解きは自ら行います。
サービス名称:らくらくCコース
食器類大物家具の荷造り、荷解きを依頼できるサービスです。食器以外の小物に関しては、自ら荷造りと荷解きを行います。
それでは最後に、長距離引越しを安くする5つのコツをご紹介していきます。特に重要となる内容のみピックアップしました。ぜひ参考にしてください。
とにかく費用を抑えたいのであれば、引越し日時はすべて引越し業者の都合に合わせましょう。その際、3月4月以外の閑散期を狙うことをお勧めします。
また、午前中に引越しを終わらせて、午後からゆっくりと片づけをする方が多いため、午後の時間帯に引越しを依頼した方が費用を抑えることが可能です。
費用を抑えるためには、最低限のサービスのみ利用することをお勧めします。荷造り、荷解きは自分で行い、荷物の搬出、運搬、搬入のみ依頼しましょう。
ちなみに、ほとんどの引越し業者では、大型家具や大型家電は作業員が梱包・搬出・運搬・搬入・設置を行っています。前もって依頼していなくても、元々サービスに含まれているため、そこまで心配はありません。
とはいえ、契約を交わす前に、事前にサービス内容を確認しておきましょう。
引越し業者毎で提供している『長距離引越しサービス』の内容は異なります。公式ホームページ上で案内されているケースもありますが、案内されていなかったとしても扱っていることはあるものです。
そのため、見積もりを依頼する際は、通常の引越しプランと混載便、コンテナ便など、いくつかのパターンで金額を提示してもらうことをお勧めします。サービス内容や料金共に納得がいくかチェックしてから契約をしましょう。
通常、引越しの見積もりは3社~4社程度から取ることをお勧めします。実際に見積もりを依頼する際は、『大手引越し業者』、『中小規模の引越し業者』、『地域密着型の引越し業者』といった具合に、タイプが異なる業者から見積もりを取りましょう。
荷物量が多いと、特別安くはならないケースがあります。特に単身引越しの場合、2tトラックが満載になるほどの量であれば、『混載便』は利用できません。
一方、家族の引越しで、たとえば『コンテナ便』を利用する場合、2tコンテナでは容量が不足するものの、5tコンテナでは容量に大きなスペースが出来てしまうときは、荷物量を減らすことで安くなる可能性があります。
コンテナサイズが小さくなれば、当然引越し料金は安くなるものです。ただし、状況によっては荷物量を少なくする必要がないケースもあることから、見積もり依頼時に相談するようにしましょう。
今回は、長距離引越しの料金、サービスの概要、注意点、長距離引越しを扱っている大手引越し業者のサービス内容、長距離引越しを安くするコツについて解説しました。
長距離引越しは、工夫次第で引越し料金を安くすることが可能です。場合によっては、一般的な近距離引越しよりも安く済むケースがあります。費用を抑えるためには、今回ご紹介したいくつかのポイントを抑えなければなりません。
メリットばかりではなく、デメリットも存在するため、要望に合わせて利用したいものです。また、沖縄県などの離島へ引越しをする場合、船便を利用するなど特殊な輸送方法となる可能性があります。
その際、引っ越し費用はあまり安くならないことがあるため、複数の引越し業者へ相談をしながら割引交渉をした方が良いかもしれません。