1年の中で梅雨の時期にあたる6月は、引越し費用がとても安い時期だと言われています。人の動きが少ないことも関係していますが、梅雨の時期は荷物が痛みやすくなるため、敢えて引越しを避けている人が多いようです。その後、7月、8月にかけて第2の繁忙期が始まります。
まずは、下図をご覧ください。6月から9月までの平均引越し相場を表しています。今回は、アート引越しセンターを例として挙げました。
| 月別相場料金 | 6月平均 | 7月平均 | 8月平均 | 9月平均 |
|---|---|---|---|---|
アート引越センター |
36,836円 | 41,926円 | 52,419円 | 38,709円 |
| 月別相場料金 | 6月平均 | 7月平均 | 8月平均 | 9月平均 |
|---|---|---|---|---|
| アート引越センター |
72,792円 | 78,430円 | 79,105円 | 75,737円 |
単身の引越し、家族の引越し共に、7月と8月は6月と9月と比較すると相場が高くなっています。荷物の量や移動距離によって料金は前後しますが、引越し料金を安く抑えたいのであれば、7月と8月は避けた方が良いといえるでしょう。
前項で解説したとおり、引越しを7月・8月に行うと、引越し費用が高くつくことは分かりました。とはいえ、なぜ7月と8月の引越し料金は高くなるのでしょうか。そして、なぜ第2の繁忙期と呼ばれているのでしょうか。結論からいいますと、人の動きが活発化する時期にあたるからです。以下で、人の動きが活発化する理由について、3つ取り上げてみました。
地方の大学へ進学した学生は、2月から4月までの間に引越しを済ませています。そのまま住み続ける学生もいますが、生活環境や部屋の設備などに対して不満を持ち、より生活しやすい環境や、住みやすい物件を探して引越しをするのが7月や8月なのです。引越しを決めた理由としては、通学に不便さを感じたり、騒音や近隣で騒ぐ声が煩かったり、湿気が酷く住みづらかったりなどといった理由が挙げられます。
7月の中旬から下旬になると、小中学校の夏休みが始まります。そのため、夏休み期間を使って引越しをする家族が増えるのです。転勤が多い職業に就いている人は、ちょうど7月が人事異動の時期にあたることから、家族で引越しをしたり、単身赴任で地方へ引っ越すといったケースも増えます。
7月や8月は、まとまった休みが取りやすい時期でもあります。そのため、お盆休みや夏季休業を活用して、引越しをする人が増えるのです。中には、転勤や転職などの都合で引っ越す人もいますが、ただ単に生活環境を変えたい人も引越しをするケースが多いといえます。
以上3つの理由から、人の動きが活発化して引越し需要が増えるため、7月と8月は第2の繁忙期と呼ばれているのです。また、引越し業者は、引越しの依頼が増える時期の割引はほぼ行いません。割引をしなくても、引越しの予約がどんどん入るからです。多少の割引には応じて貰えますが、格安で引越しをすることは難しくなるでしょう。
7月と8月の2ヵ月の間、常に引越し費用が高くなるのかというと、そういうわけではありません。目安としては「7月中旬から8月上旬まで」、「お盆期間が終わった最後の週末」あたりが最も高くなります。お盆時期の休みを活用して引越しをする人もいますが、全体的に見るとそこまで多くはありません。
そのため、引越し業者によっては、お盆時期の引越しが他の日よりも安くなることがあります。より詳しく相場を調べたいときは、各引越し業者の公式ホームページを確認しましょう。例えば、アーク引越しセンターの場合、お得な日が一目で分かるカレンダーを公開しています。
このカレンダーによると、7月中旬から下旬にかけて、土日の割引は一切行っていません。8月に入ると、上旬や中旬にあたりでまた割引をしてもらえるようですが、最終週の土日の割引はありませんでした。
また、サカイ引越センターでは、7月と8月の平日の割引は行っているものの、土日の割引は一切行っていません。そのため、引越し業者へ依頼する場合は、7月と8月の土日を避けるようにしましょう。また、引越しの時間帯は、繁忙期にかかわらず午前中が割高となります。
フリー便を利用して時間を指定しないか、午後からの便で依頼するようにしましょう。混載便を活用することで、更に引越し費用を抑えることもできます。7月上旬あたりに、3社から4社へ見積もりを依頼し、一番安くなる日にちと時間帯を確認するようにしましょう。
日本には、古くから伝わる様々な迷信があります。8月の引越しは縁起が悪いという話も、その中の1つだといえるでしょう。引越しを8月に行ってはならない理由は、いくつか存在します。特に有名なのは、お盆・土用の時期に土を動かしてはならないという迷信でしょう。
もう1つは、お盆の時期にお祝い事である引越しはしない方が良いという迷信も存在します。縁起を担ぐことを大切にしたいのであれば、8月の引越しは避けた方がよいですが、気にしないのであれば引越しをしても問題はありません。
ただし、8月のお盆シーズンは、不動産会社やガス会社などがお盆休みに入ってしまうことがあります。また、お盆の帰省ラッシュに巻き込まれてしまうと、新居への荷物の搬入に時間がかかることも考えられるでしょう。引越しにあまり時間を掛けず、退去や入居の手続きをスムーズにしたいのであれば、8月の引越しは日を選ぶか、時期をずらすことをお勧めします。
