引越し料金・費用の相場がわかる 得して安心できる業者の選び方

表示中のページ: ホーム > 賃貸アパート・マンションの手続き > フリーレント物件って?家賃が一定期間無料になるって本当?

フリーレント物件って?家賃が一定期間無料になるって本当?

賃貸の部屋を探していると、たびたび『フリーレント物件』という単語が登場します。フリーレントという単語は知っていても、『フリーレント物件』の意味を正確に理解している人は少ないようです。

今回はフリーレントの意味を解説するとともに、フリーレント物件の仕組み、メリット・デメリット、利用時の注意点などを取り上げていきます。

フリーレント物件ってどのような物件なの?

フリーレントとは、入居してから一定期間家賃が発生しない契約形態のことを指しています。フリーレント物件、もしくはフリーレント契約と呼ばれることもあります。

元々、店舗や事務所の賃貸契約で使用されていた契約手法です。『わけあり物件ではないか?』と心配する方がいますが、わけありの物件ではないため安心してください。

東京都などの都心部を中心に、2,000年頃から居住用の賃貸物件でも、フリーレントが取り入れられるようになりました。ここ最近は、単身向けの物件で見掛けるケースが増えています。

一般的には1ヶ月から2ヶ月程度、家賃が無料になる物件がほとんどです。稀に3ヶ月から6ヶ月のフリーレント期間が設けられている物件も存在します。つまるところ、フリーレント物件は引越しの初期費用を抑えたい方に最適な物件なのです。

フリーレント物件のカラクリとは

『フリーレントの意味は分かったものの、仕組みがよく分からない!』という方のために、フリーレント物件のカラクリについて詳しく解説していきます。物件のオーナー(大家さん)は、できるだけ空室の期間を作りたくありません。

入居者を募集する際はいくつかの方法がありますが、物件のオーナー(大家さん)としては、安易に家賃は下げたくないものです。家賃を下げるとその分収益が減少するため、家賃の値下げは最終手段と考えています。

このようなときに便利なのが、フリーレント物件です。たとえば、家賃が6万円の部屋だったとしましょう。ここで家賃を3,000円割引した場合、2年間で1,368,000円の家賃収入となります。

一方、フリーレントで1ヶ月分の家賃を無料化した場合、2年間で1,380,000円の家賃収入です。余談ですが、家賃の割引率を下げれば、フリーレントの家賃収入の方が低くなることがあります。

今回の場合だと、家賃の割引率を1ヶ月あたり1,000円とした場合、2年間で1,416,000円の家賃収入になるといった具合です。そうなると、フリーレントで1ヶ月分の家賃を無料にした方が、家賃収入は少なくなります。

それでも契約更新日以降のことを考えると、損をするのは一時的だといえそうです。家賃を割引して入居した方よりも、フリーレントで1ヶ月だけ家賃を無料化した方が、トータルの家賃収入は高くなります。

まとめると、大家さんとしては空室期間を極力作らない為の施策の1つであり、入居者としては初期費用を抑えるための1つの手段が『フリーレント物件』なのです。

フリーレント期間について

フリーレントの期間は、個人向けの居住契約の場合1ヶ月程度が相場です。2ヶ月というケースもありますし、半年という物件もあります。物件の契約内容は様々であるため、一概に言い切ることはできないのです。

とはいえ、実際に賃貸情報雑誌やネット上で検索してみると、多くの物件でフリーレント期間が1ヶ月程度となっていることが分かります。法律で厳密に決められているわけではなく、大家さんと交わす契約書の内容次第で期間は異なるものです。

学生や単身赴任の社会人が多い地域だと、引越しシーズンに合わせて、3ヶ月以上のフリーレント期間が設けられることもあります。

どうしてフリーレント物件って存在するの?

そもそも、なぜフリーレント物件は存在するのでしょうか。結論からいいますと、前項でも触れたとおり、フリーレントにすることで、空室期間を極力短くすることができるからです。

先程、家賃を下げた場合の一例をご紹介しましたが、大家さんはできるだけ家賃を下げたくありません。家賃を下げたくないときに、フリーレント物件は大変便利なのです。例を上げながら、もう少々詳しく解説していくことにしましょう。

フリーレント物件は、『大家さんの負担を軽減してくれるために存在』しているといっても過言ではありません。部屋を借りる側としては、家賃を下げて欲しいものですが、そうなると大家さんは利益につながりません。

一番怖いのは、一部の居住者の家賃を値引きすると、他の居住者から苦情が寄せられることです。そういったときは、交渉に応じるしかありませんので、一気に家賃収入が減少することもあります。だからこそ、できるだけ家賃は下げたくないのです。

尚、すでに解説したとおり、家賃を値下げしたケースと比較すると、フリーレント契約にした方がトータルの家賃収入は高くなります。これは家賃収入だけではなく、投資物件の場合でも同じです。

家賃が月8万円(1年間の賃料が96万円)の物件を、1,920万円で売ったとしましょう。その場合、年間の利回りは5%です。ここで家賃を、7万円に下げたとします。

すると、年間の賃料は84万円です。先程と同じ5%の利回りを確保するには、売買する際に1,680万円以下にしなければなりません。これでは、売買するときに損をしますし、家賃を下げることは物件の資産価値を下げることになる良い例です。

家賃を割引することで発生するデメリットは、これだけではありません。賃貸契約を交わす際、敷金、礼金、前家賃、月々の家賃から割引分が差し引かれるため、大家さんの家賃収入が益々減ってしまいます。

このように賃貸フリーレントとは、大家さんを助けるために存在している意味合いが強いのです。

大家さん・不動産屋さんの3つのメリットとは?

フリーレント契約にすると、大家さんや不動産屋さんにはどのようなメリットがあるのでしょうか。この項では、事前に知っておきたい3つのメリットについてご紹介していきます。

空室率が低くなりやすい

初期費用を抑えたい借り手としては、フリーレント物件は魅力的な物件です。その結果、おのずと入居率が高まるため、同時に空室率は低下していきます。空室率が低くなると、長い目でみたときの家賃収入を安定化させることが可能です。

ちなみに空室を早く埋めたい理由は、家賃収入だけではありません。空室が長く続いた部屋は、痛みやすくなることも関係しています。気温差が激しい地域では、できるだけ空室期間を短くしたいのが、大家さんや不動産屋さんの本音なのです。

部屋が痛むと設備の交換や室内のリフォームなど、余計な費用が掛ってしまいます。そういった意味からも、空室率が低くなるのはメリットの1つなのです。

資産価値を下げなくて済む

家賃を低くすると、物件の資産価値は下がります。資産価値が下がると、家賃収入にも影響を及ぼしますし、いざ物件を売買するときに高く売ることができません。

そのため、家賃を下げなくて済むフリーレント契約は、大家さんや不動産屋さんにとって嬉しい契約形態なのです。

利益を減らさなくて済む

家賃を下げた場合、大家さんと不動産屋さんの双方で利益が減少します。まず大家さんの場合、敷金、礼金、前家賃、月々の家賃のところで、割引分が差し引かれるため、家賃は安易に下げたくないものです。

不動産屋さんの中でも仲介を担当している仲介会社は、契約が決まると仲介手数料を貰うことができます。家賃の1ヶ月分となっているケースが目立ちますが、家賃が下がると当然仲介手数料も下がってしまうのです。

フリーレントでの契約にすると、上記の点で利益が減少することはありません。そのためフリーレント契約は、大家さんや不動産屋さんの利益を守る役割も果たしているといえます。

フリーレント物件の良い点と悪い点について

フリーレント物件には、良い点ばかりではなく悪い点も存在します。代表的なものを、それぞれ3つずつピックアップしました。参考にしてください。

フリーレント物件の良い点

入居時の費用を節約できる
フリーレント物件を契約する場合、契約の状況によっては1ヶ月から3ヶ月分の家賃が無料となります。前項でも何度か触れてきましたが、できるだけ引っ越し費用を抑えたい方に最適です。
旧居の家賃との二重払い対策ができる
旧居の解約タイミングによっては、新居の家賃と重なってしまうことがあります。フリーランスの場合、初月の家賃が発生しないケースがほとんどであるため、二重払いを防ぐことができるのです。
次回更新時に退去を決めている人に最適
フリーレントの契約期間は、1年から2年程度が主流です。後ほど詳しく解説しますが、フリーレントの物件は、長期間の契約に向いていません。そのため、契約満了までしか住まないと決めている方に適しています。

フリーレント物件の悪い点

契約期間が決まっている
フリーレント契約は、契約期間が決まっています。期間満了前に退去すると、違約金が発生するのです。違約金の内容は様々で、残りの家賃をすべて支払う必要があったり、退去費用が高いという特徴があります。そのため、転勤が多い方には不向きです。
管理費や共益費は常に発生する
フリーレントは、家賃が無料になるだけです。毎月発生する管理費・共益費は、初月から支払わなければなりません。
長期間済むなら家賃を割引した方がお得
例を上げて解説していきます。たとえば、家賃5万円の部屋があったとしましょう。契約期間は2年です。以下の表をご覧ください。こちらは、フリーレントで1ヶ月分の家賃が無料になった場合、2年間で掛る家賃の合計を表しています。
その下は、家賃を2,000円割引して貰った場合、2年間で掛る家賃の合計金額です。この時点では、フリーレントの方がやや安くなっています。しかし、1年更新をした場合はどうでしょうか。家賃を値引きした方が、断然安くなります。

このような理由からも、契約更新を迎えてからもしばらく住む予定であれば、フリーレントはメリットがないのです。

初年度契約時の家賃

フリーレント 1ヵ月の家賃5万円 × 24ヵ月 - フリーレント家賃1ヵ月割引分(5万円) = 115万円
家賃2,000円引き 1ヵ月の家賃4.8万円 × 24ヵ月 = 115万2千円

1年更新をした時の家賃

フリーレント 1ヵ月の家賃5万円 × 12ヵ月 = 60万円
家賃2,000円引き 1ヵ月の家賃4.8万円 × 12ヵ月 = 57万6千円

気をつけたい!フリーレント物件契約前3つの注意点

それでは最後に、フリーレント物件契約前に気をつけたい3つの注意点をご紹介します。どの注意点も、大変重要なものばかりです。フリーレント物件の契約を考えている方は、しっかりと目を通してください。

無料期間が短くなる可能性がある

フリーレントは、入居日からカウントされるわけではありません。月単位でカウントされます。そのため、たとえば10月25日に入居した場合、残りの日数だけ無料となるのです。

フリーレント期間が1ヶ月の物件であれば、翌月である11月から家賃は発生します。入居するタイミングを調整することができる場合は、入居月を考慮した上で契約をしましょう。

中途違約金が存在する

契約満了前に退去すると、必ず中途違約金を支払わなければなりません。前項でも簡単に触れましたが、契約内容によって中途違約金の金額は異なるものです。だいたい、家賃1ヶ月程度が相場となっています。

ただし、契約満了月までの家賃を支払うケースもあるようです。たとえば、満了日まで3ヶ月残されていた場合、3ヶ月分の家賃を違約金として納めます。

尚、ネットの物件情報や賃貸雑誌では、違約金に関する特約に触れていないことがほとんどです。必ず事前に確認しましょう。

フリーレント分の家賃が割増になっていることがある

たとえば、元々の家賃が12万円だったとします。1ヶ月のフリーレント期間を設けると、12万円損をすることになる計算です。しかし、この12万円を12ヶ月で割って家賃を13万円とすれば、損をすることはありません。

表向きはフリーレント物件ということになっていますが、近隣相場の家賃よりも高くなっている場合、家賃が割増されていないか必ず確認しましょう。フリーレントという言葉だけを鵜呑みにして、契約をしてはいけません。

まとめ

フリーレント物件は、賢く活用することでお得になります。メリットばかりではなく、フリーレントのデメリットも十分理解してから、契約を検討しましょう。

ここ最近の傾向ですが、フリーレント物件には広告費を掛けていない大家さんが多く、不動産屋さんは積極的にフリーレント物件を紹介していません。

空室を早く埋めたいとはいえ、家賃1ヶ月から数ヶ月分を無料にしていることもあり、できるだけ広告費を掛けたくないのが本音なのです。

しかし、こちらから申し出ることで、フリーレント物件を紹介して貰うことは可能となっています。契約内容をしっかりと理解した上で、魅力を感じる物件があれば契約を検討してはいかがでしょうか。


たった3分の見積もり比較をするだけで、
料金が「55,000円」→「22,800円」まで安くなりました。
全国230社以上の引越し業者をまとめて比較!


ページトップへ戻る